2013年9月17日火曜日

独自ドメインなブログを急遽作りたい、英語が苦手な文系人間に捧げるマニュアル


さて、「虚無~」の後書きにアドレスを載せられる、というのは凄い宣伝のチャンスではないか、とかねてより懸案の水茎亭ブログ開設を超絶大急ぎでやることになった私。

やるぞ、と思ったのが水曜日。次の月曜日には後書きを提出しないとならない。つまり、猶予はざっと五日間。
まあ、なんとかなる、はずだ。

一日目(水曜日)
まずは、どの運営会社を使うか、の選択。
取りあえず私の条件は
1、無料であること(これ、最大条件)
2、できれば広告がないのがいい。

これで検索してみると、やはりあまりないね。無料は山ほどあっても、普通は「広告が表示されるから無料」なのだ。ま、あたりまえだ。
それでも、いくつかはあるのだ、この条件に合致する会社。
で、そのいくつかの中から選ぶに当たって、決め手になったのが、これ。
独自ドメイン。

なんか余計なものがごちゃごちゃついている、いかにも「下宿人」なアドレスより、「自社ビルです」みたいなアドレスの方が格好いいではないか!
という理由で、グーグルブロガーを選択。そして、なんかやばい噂とかないかどうか、自分よりもネットに詳しい友人に問い合わせメールを送って、就寝。


二日目(木曜日)
残念ながら友人から返事がないのだが、便りがないのは良い便り、と見切り発車。
石橋は叩くことは叩くが、渡ること自体は既に決めているので、叩き壊しながら走り渡る。自動的に背水の陣になるわけだが。

まずは
「髷 Bloggerを独自ドメインで運営する」
http://mage8.com/websitetips/blogger.html
のマニュアルに従って、独自ドメインを取得すべく「バリュードメイン」にアクセス。

さて、ここで第一の関門。
この会社、登録するにあたって組織名やら役職やらを「英語で入力せい」と言ってくるのだ。
一応、組織名は「パーソナル」(個人)てのが例にあるので個人登録は拒んでいないらしい。役職、についても「なし」という例がある。が、ファクスってのは、個人宅全てに装備されているものなのか? 番号入力必須なんだが。

で、問題。個人の翻訳事務所における、私の役職って、なんだ?

代表、かと思ったが、英語で言う代表、は「他の人の代弁者」というニュアンスになるらしい。いないよ、他の人。
社長、というのは、社がないとだめだろうし。
結局「責任者」にしてみるが、自分が入力した単語が思っているような意味を指しているかどうかは、限りなく怪しい。
が、まあ取りあえず、独自ドメインは取得できた。

続いて、グーグルのアカウントを取得。これは特に問題なくあっさり取得できる。

そして、後でわかったのだが、「髷~」でこの次にやれと書いてある、「DNS変更」なる作業は、ここでやる必要は全然ないのだ!
なので、この日のこの後の悪戦苦闘は、はっきり言って非常に無意味だった。
要するに、「DNS変更」に、悩み悶えもがき苦しんでいたのだが。


三日目
正直に言ってしまえば、この作業は本来ならば、前日の夜に終わらせることが、可能である。
「DNS変更」に、無意味に悶えのた打ち回っていなければ。

まずやるべきことは、ブログの開設。

グーグルのアカウントを取得後に、グーグルブロガーにアクセスすると、あなたは自動的に「ダッシュボード」というページに運ばれる。
ただ、この状態ではまだ、肝心なブログはできていない。
なので、あなたの名前の下にある「新しいブログ」をクリックすると、ブログを新規作成するための設定画面にページが切り替わる。

ここでまず、ブログの名前をつける。
次に下の欄でブログのアドレスを設定。これはいわば仮の住所なのでいちおう適当でいいみたい。
後ろにあらかじめ書いてある「.blogspot.com」というのは消えないので、その前に適当な文字列を入力。別に「http://www.」とかつけずに「watashinoblog」とかでいい。この欄の下に「このアドレスは使えない」てなメッセージが出るのは要するに「使用できない記号が入ってます」とか、「その短い文字列は、既に使ってる人がいるからもっと後ろに文字を足して」とかの意味なので、バンバン文字を入れていればそのうちに消えます。
最後にテンプレートを選んで、これでOK。

自動的にさっきの「ダッシュボード」に戻ってくると、もうブログができています。

以上、一応「髷~」にもブログの開設手順が書いてはあるのですが、どうも既に実情にそぐわなくなってきている模様。とはいえ、この開設は、多分、何とか勘でこなせるんではないかな。

そして、次はブロガー側のアドレスを、自分の独自ドメインに変更する作業。
「髷~」でブログの作成作業の次に載っている「ブロガー側の設定」です。

さてここで「髷~」におけるこの手順の一番上に書かれた一文「まずブログの管理画面に入って」の入り方の説明。

いま、あなたはブロガーの「ダッシュボード」に自動的に帰ってきています。
ここで、「ブログを表示」すると、別ウィンドウで、まだ何にも入力されてないブログのページを見ることができます。

で、このなにもないブログページでは投稿以外何もできないので、「管理画面」に入るべく入り口を探すのですが、この入り口が……。
なんと「デザイン」でしたよ!
ブログ上部にある「デザイン」。
何考えてんだ!? 「デザイン」言われてそれが「管理ページへの入り口」てわかるような人間がどこにどれだけいるってんだ!

そしてここから「設定」です。
「管理画面」左端にある「設定」をクリックしてください。

「設定」ページが開くので、今度は「+カスタムドメイン」をクリックします。
詳細設定、のアドレス入力欄に「閲覧者にはこのアドレスを入力してアクセスしてほしい」と思うアドレス「http://www.マイドメイン.com」などを入れてください。

そしてこれで「髷~」を参考にして行う作業は全て、終了です。
ここからは別なページ
「このかみ.com」の「ブロガーのDNS設定イン・バリュードメイン」
を参考にして「設定手順の確認」をします。

上のように「設定」ページから「+カスタムドメイン」、そして「詳細設定」へのアドレス入力が終わったら、「保存」をクリック。
問題がある場合は

「このドメインに対する権限を確認できませんでした。エラー 12。
ご利用のドメイン登録事業者のウェブサイトで、DNS(ドメイン ネーム システム)設定を見つけ、次の 2 つの CNAME を入力します。 [Name](名前)、[Label](ラベル)、[Host](ホスト)欄 [Destination](宛先)、[Target](ターゲット)、[Points To](参照先)欄
www ghs.google.com
うんちゃらかんちゃら gv-eなんちゃらかんちゃら.dv.googlehosted.com
各種登録機関への CNAME の提供に関しては、詳細な手順をご覧ください。さらに詳しい情報は、完全版の設定手順をご確認ください。dv.googlehosted.com に 2 つ目の CNAME を入力する際に問題が発生した場合は、代わりに Google のウェブマスター ツールから TXT レコードでこのドメインの所有権を確認することができます。」

と言ってきます。

で、気にすべきところは「dv.googlehosted.com」の前のところなので、「うんちゃら~.dv.googlehosted.com」をまるまるコピーしておく。

バリュードメインに移って「DNSレコード/URL転送の変更」をクリックし、変更を適用したい独自ドメインを選んで「変更」をクリック。これで開いた画面の中の「設定フィールド」内に、以前に入ってる文字があったらそのうえに貼り付けて消してしまってかまわないので、「このかみ」さんがやったのを参考に文字列を入力していき、これで一回「保存」。

ちなみにここで入力する
a @ 216.239.32.21
a @ 216.239.34.21
a @ 216.239.36.21
a @ 216.239.38.21
という四行は、閲覧者がwwwを入れなかったときに「ああ、wwwが欠けてるけど、アクセスしたいのはここでしょ、ほら」と案内してくれるためのものだそうだ。

さて「正常に変更されました」と出てくるが、これは余り当てにならない!

続いて、上に出ている「ログイン/メニュー」から「メニュー」で「ネームサーバーの変更」をクリックし、変更を適用したい独自ドメインを選んで「変更」をクリック。これで開いた画面の中の「ネームサーバー」の欄を全部参考どおりにいじって、これまた保存。

で、バリューは変更が反映されるまで数時間から三日かかるので、この間に何度かブログの方からから「デザイン」⇒「設定」⇒「+カスタムドメイン」で、「詳細設定」に理想のアドレスを入力し「保存」の手順を繰り返してください。
エラー表示されなくなればオーケーです。


四日目(土曜日)
前の晩の夜中に「DNS変更」がようやく終わって、この日の午前中、エラー表示は消えた。
ならばあとは、投稿だ。

そして、投稿ページで投稿枠内にカーソルが出てなければ、たぶん「HTML」をクリックすればカーソルが出るので、よそで書いておいた記事をコピペ。

で、プレビューを押すと、多分あなたはショックを受ける。改行が全然されていないので。

この問題は投稿枠の右側、歯車マークの「オプション」をクリックし「改行」の部分で「Enterキーを押して改行」を選択してから、もう一度プレビュー表示すれば、解決しているはず。

で、「公開」を押せば記事表示されてあなたのブログは輝かしい第一歩を踏み出す。


五日目(日曜日)
ブログができたよー、と友達に見せようとするとなぜか友達はアクセスできない。なぜだ?

それは、検索エンジンが、まだあなたのブログの存在を知らないから。だから検索を掛けても「そんなの知らない」という反応になってしまう。

これを調教するには
まず、「あなたのブログが検索結果に出ない(検索されない)4つの理由」というページにアクセス。
このページから「ウェブマスターツール」の「URLのクロール」へアクセス。
自分のブログのアドレスを入力して送信。
※単純に「ウェブマスターツール」にアクセスし、ログインすると、なぜか「URLのクロール」がちーとも見つからないので、上の「あなたの~」からアクセスするのが一番手っ取り早い。

ついでにやはり「あなたの~」からBINGにもアクセスして登録してしまっておくこと推奨。

これであなたのブログは、ばっちり検索に掛かるようになる。

以上、取りあえず電脳関係に関してはネアンデルタール人並みに疎い文系人間による、覚書的マニュアル。
勿論ネットに情報は溢れているが、そういう解説ページを書く人というのは、基本的に理屈がわかっている人。
理屈が完全にわかっていない文系人間、プリンターを買ってもセッティングできずにお客様相談室に泣きつく文系人間。言わば車を前にして、運転席のドアの開け方に悩んでいる文系人間には、開設ページは高度すぎるのだ。

このページが、文系人間で、個人で翻訳事務所なんか始めてしまって、宣伝のために大急ぎでブログを作らにゃならんのだ、という英語が苦手なあなたの役に立つことを、切に願う。

2013年9月15日日曜日

一見鐘情~駆け出し翻訳者はこうして生まれる~


 初めまして。黑木夏兒です。

 このたび、日本で初めて商業出版されることになった私の翻訳作「虚無仮説(仮タイトル)」の発売を機に、ブログを始めることにしました。こんなこと知ってどうする、と言いたくなるようなネタも含め、ちょこちょこ更新してゆくつもりですので、どうぞお楽しみください。

 よく「日本語お上手ですね」と真顔で言われたりしますが、とりあえず代々日本で侍とか米屋とか呉服屋とかやっていた家出身、横浜育ちの日本人です。

 繁体字名を名乗っているのは、本名がひらがなだから。台湾旅行のとき、楽しいですよ。ホテルの記帳とか、知り合った相手に「なんて名前?」と聞かれたときに、このひらがな名前を書くと、みんな基本的に「???」という顔になる。しかし、その横に「こういう意味だ!」と繁体字名を書いてみせると、困惑していた顔がまさに電球でも灯したようにぱあっと明るくなるんですね。


 じゃ、なんで「兒」? 「子」でないの? これにはもう二つわけがあって、一つは私の名付け親が「子」の字をつけるのをいやがったから。もう一つは私の従姉が「伴子」だから。
 わかる人にはわかる話。「夏子」と「伴子」だと、中国語読みしたときに「シャツとパンツ」になってしまうのだ。これはちょっと、どこの漫才コンビだよ。

 中華街のある横浜ですが、横浜市民はみんな華僑とお友達で中国語がわかるんだぜ、なんてことはあろうはずもなく、私もせいぜい「らんま1/2」に出てきた単語をいくつか覚えてるよ、あと地名と名前ならいくつかは読めるよ、程度。ですがそんなある日、はとこが中国からめっちゃ可愛い婚約者を連れてきた!

 このお嫁さんについてはまた別な機会に書くこともあるかと思いますが、これで私は一念発起。はとこの通訳がないときでも、このお嫁さんとおしゃべりができるようになりたい。というわけで当時の勤め先の近所にあった夜間の中国語教室に通い始めたのです。

 そして基礎級を終え初級クラスで「我是日本人」とやり始めて三ヶ月、私は東京国際ブックフェアに行きました。何か、頑張って最後まで読みたくなるような中国語の本を求めて。漫画とか絵本とかないかな、と真っ先にいった中国大陸のブースにあったのは、子供向け教材とチベット美術の専門書。ならば、と向かった香港ブースには、なんとそもそも本がなかった! 紙バッグの印刷見本をブックフェアに持ってきてどうするつもりだったんだろうかと、今でも思うんですが、とりあえずいまだに中国と香港のブースはあんまり魅力的でない。

 がっかりして歩いていた私の目にふと飛び込んできた、カラフルな表紙と漢字のタイトル。そう、そこは台湾ブース。そして、日本の漫画と比べても遜色ない画力のイラスト、それが、台湾の出版社、威向さんの本でした。

 そうだよ、私が探してたのはこういうのだよ!
「ゆっくり見ていってください」と日本語で言われた(この辺が台湾クオリティ)のに安心して棚をよく見ると、少女漫画風(LaLaとかに載っていそう)な絵柄なのに、どの表紙も男性率が妙に高い、というか、女がいない? そうです、威向さんは、08年にはまだ少なかった台湾オリジナルのBLとラノベを出している出版社だったのです。そして実は私はこのとき、背表紙の社名を読み間違えていました、成向、と。そうか、台湾の成人向けBLか、ならば確実に最後まで読む気が持続するじゃないか!

 腐女子ならではの理由に背を押されるまま、そろそろ撤収作業を始めていたブースで面白そうなものを(完全に表紙買いで)物色。ところがちょっと問題が。全部一冊目しかない! 上中下の上、前後編の前編などなど。「これ、上下揃っているのはないんですか?」と尋ねた私に、既に荷造りし始めていた箱の中までスタッフ総出で探してくれた(この辺も台湾クオリティ)のですが、やはりない。

 諦めて、長編シリーズ一巻目、前編、上巻、というラインナップで本を買った一年後、友人との台北旅行が決まったのです。この旅行についてはまたそのうちに書きますが、実は台北駅前には、威向さんの直営書店があります。

 あの本の続きが買える、と旅行初日に友人を引きずってそのお店に行き、BLと同人誌溢れる店内で、後編、中下、二巻以降、ついでに日本から予約していった新刊シリーズ、を友人の腕に積み上げ、更なる獲物を求めて店内に走らせた私の目を鷲掴みにした一つのタイトル、それが、のちに私の翻訳仕事になる小説「虚無假設」でした。

「一見鐘情」。
 一目惚れのことを中国語ではこういうのですが、まさにこれは運命の「一見鐘情」。
 というのは、なんと、この本、棚刺しだったんです。

 背表紙しか見えない状態で、なのにやけに私の心を惹きつけるタイトル。
 尋常でない引力を持ったその本を、腐女子の勘としか言いようのない何かに促されるままに引っ張り出して表紙を見ると、どうやらこれは刑事もの、それもなんだかアメリカン? 裏の粗筋を頑張って解読したところ「カウンセリングを受けているトラウマ持ちのFBI捜査官受け」?! 買ったァ!!

 そして日本に帰って序章を読み終えた頃には、これをちゃんと日本語に、してみたくなっていました。多分こんな意味かなー、と流し読むのではなしに。
 登場人物が日本語を話し出す瞬間、と言うのが私にはあります。主人公でも脇役でもいい。その人物の口調を持って、そのキャラが日本語を話し出す。そのとき、私はその本をどうしても日本語にしたくなる。そのキャラに、私の頭の中にあるそのキャラの口調で、日本語をしゃべらせたくなる。元がアニパロ書きだったからかな(笑)。

 ただし相手は商業出版物。他の誰かが翻訳権を取ってしまったら、私の日本語をしゃべらせることはできなくなる。最悪なのはどこかの出版社が権利を買った挙句「これ訳して」と繋がりのある翻訳者さんにオーダーした結果、「別に全然BL読者じゃないんだけど、仕事だからやった」てな人に訳されてしまうことだ!ついでに「オネエ喋りの藍」とか「似非お嬢様口調のアニタ」とかやられた日には目も当てられん上に、悔しくて眠れないじゃないか。

 かくして、奮闘開始。まずはとにかく訳すのだ。しかも幸い私は、「ろくに中国語しゃべれないのに山ほど(日本から取り置き依頼までして)本を買っていった変な日本人」として威向のスタッフに存在を知ってもらっている、このコネクションを生かさないでどうする! 

 ちょうど威向さんは自社の台湾BLを日本に売り込もうとしていました。なので「この本翻訳して出版社に持ち込みたいから、その間誰にもこの本の権利渡さないでお願い!」と頼むことができ、多少の猶予も得られました。勉強を再開し、どうしてもわからないところは主語を男女に変えて先生に聞き……。そして、どうにか翻訳を終えた原稿を持って、企画の持込開始。

 以上、私が翻訳者になったのは、全て一目惚れがきっかけ。実はこの旅行で、本だけでなく台湾にも私は一目惚れ。どうあってもここに住んでみたい。しかし年齢的にもうワーキングホリデーが使えない。ならば、台湾本の翻訳を仕事にすれば、台湾に住む道が開けるじゃん、という理由もあったので、この過程で会社も辞めて翻訳者を目指すことにしたのです。

 さて、私が台湾に暮らせるかどうかは、そんなわけで読者の皆様にかかっています。なので、前編を買ってこのページを閲覧中の皆様、ぜひ、後編の方もお求め下さい!

 日本と同じくらい、いえ、もっとジャンルが幅広かったりする台湾BL。面白い本が山ほどあります。そして、日本で出してもらえないかなーと台湾の出版社は思っています。後は読者の皆様が『読んでみたい』そう思ってくだされば、私に仕事がやってくる。そして私は台湾に住める。というわけなので、ぜひ、ヤフオクで競らずに新刊書店で買って、台湾BLの日本での売り上げアップに貢献してください。