2013年10月22日火曜日

台湾の書店と書籍についてのあれやこれや。ディープなオタク書店はなるべくキープな方向でよろしく!

 台湾には、二十四時間書店がある。

 なにかもうこれだけで台湾に移住したくなるようなすんばらしい魅惑のスポットだ。夜中に読むものがなくなった時、続きが読みたくなった時、明日まで待つ必要がないのだ!

 なお且つこのお店、というか、台湾の書店全般、なぜかものすっごく立ち読みに優しい。いや、既に客が、立っていない。ウンチングスタイル通り越して、店内の僅かな段差に腰掛け、本棚に背を預けて床に座り込んでいる。さらにこの書店、大きい、広い! 紀伊国屋とかジュンク堂とか八重洲ブックセンターとか丸善とかああいう感じで、どっぱり本が詰まっている。DVDとかも詰まっている。オタッキーな本以外は何でもござれという感じだ。昼間を観光スポット巡りに費やしご飯も食べ終えた後で本を仕入れに来れるので旅行者にもとても親切だ。

 時間に余裕さえあれば、是非とも丸一日でも滞在してこの夢の空間を満喫したい。そのためにも、目指せ長期滞在、お引越し。

 もっとも難点はあって、私はなぜかこのお店に一発で辿りつくことができない。地図を手に、自分がどこにいるのかを見失い、見当違いの方向へさまよっていることに気付き、駅まで引き返して人に道を聞くと、すぐそこである。なんでだ? 理由として考えられるのは、この店が道にぴたっと面しておらず、敷地内にちょこーっと引っ込んでいることなのだが。もう一個の難点は、多分この店デザインした人、高所恐怖症じゃなかったね。幅広の階段が、結構恐かったりする。

 さて、あなたが本好きなら、ぜひこの書店には行って欲しい。いや、この書店でなくてもいい。街中の小さな書店、光華商場のオタク書店、どこでもいいので、台湾の本を一冊買ってみて欲しい。あなたは多分、ちょっと驚く。

 第一の驚き。
 ??? この本、ソフトカバーなのになんかカバーが剥がれない。てか、カバーが本にくっついてて表紙ってもんがないよ??
 そう、台湾の本は、なぜかフランス装といわれる装丁になっていることが多い。私の持っている本も大半がこれだ。ものによってはフランス装に更にカバーが掛かっているという猛者もあるが。

 第二の驚き。
 なんかこの本、インクが盛り上がってつやつやピカピカしてる。
 台湾の本はデザインに凹版印刷を用いることが比較的多いです。イラストの一部とか、タイトル文字、粗筋なんかがこれになっていて、本を斜めにするときらきらして見えます。すごく綺麗です。

 第三の驚き。
 値段安っ!
 日本の漫画の翻訳版とか見てもらうとよーくわかるんですが、少なくとも絶対に翻訳という手間が日本より余計に掛かっているにもかかわらず、お値段日本と変わりません。というか、安かったりします。単純なレート比較で台湾のお値段×3倍=日本円にとっての値段。大体日本での値段より安く、しかも割引があったりする。

 更に、台湾の本。中のページのフルカラー率がひっじょうに高いです。日本ならここはモノクロだな、と言う部分も、ことごとくフルカラー。実際、日本版ではモノクロだったページが台湾版ではカラーになってたりする。そして、それでもやっぱりお値段安い。奥付ページまでフルカラーの本文256ページ、遊び紙つき、カラーフランス装に、両面フルカラーカバーというB5変形の映画の写真資料本が、399元=日本円ざっと1200円。

 台湾、つまり印刷コストがとんでもなく安いです。だから翻訳のコストくらい平気の平左でフォローできてしまう。この辺は、もうちょっと突っ込んで知識を増やしたいところだ!

 ただし、このお値段の安さは、単純に安いとは言えないかも。電車の初乗り20元、コンビニのペットボトル20元、おいしそうなケーキ一切れ35元。この辺りを日本と比較すると、単純レートの三倍ではなく、八倍から十二倍くらいに計算したくなってくる。間を取って十倍として計算すると、さっきの本はざっと四千円。BL小説本ノベルスサイズ150~180元くらいがざっと1500~1800円。ハードカバーな値段だね!

 ちなみに、日本の人気書籍が台湾で翻訳で出る場合、日本での発売から台湾での発売までは非常に期間が短いです。なんでかと言うと、あまり待たせてると海賊版が出ちゃうからだそうな。ただ、それを防ぐためにやたら焦って翻訳させた挙げ句、正規版の訳の質が非常に落ちてしまったなんてこともあったようで(ぶっちゃけ、彩雲国だそうな。それほど注目されてない状態でゆっくりと翻訳出してたら、アニメ化されたんで急がなきゃならなくなり、そこから一気に質が落ちたらしい。なので、こんな粗悪な訳で読みたくない、という人は頑張って日本語で読んでる、と。一旦正規版出ちゃった以上、海賊版出すうまみはないから海賊版で良訳が出るてなことはないわけである)。

 も一つ、日本のアニメが放映数時間後に字幕付いてネットにアップされてたりするのは、分業スタイルの賜物だそうな。放映と同時進行でまとめ役がメンバーに割り振り、一人が三分程度を担当して翻訳、まとめ役の下で統一性を持たせ、ネットにアップ、というシステムで、短時間にどれだけ的確に気の利いた訳ができるかのトライアルみたいなもんらしい。実力をアピールするためのツール。愛じゃないんだね……。

 さて、そして台北のオタク書店のことも書こうではないか。と思うのだが、実はちょこっと難点が。オタッキーな本を探そうと思えば光華商場に行くのが一番なのだが、ここの書店は、どうも入れ替わりが激しいっぽいのだ。

 2009年旅行時に立ち寄った店舗はここの三階のエスカレーター前にあって、店頭にハルヒの特設コーナーがあったりするので、私の目的地はここだ、という感じだった。しかし、2012年の旅行ではこの店がなく、フロア全体にもう二、三軒はあったと思う本屋もほとんどなくなっていて、結局一軒しか入居していなかったんである。

 そして、品揃えの方も以前の店に比べて一般書店のコミックコーナーという感じになっていた。つまりは、BLに限らず、御三家と角川、白泉社という感じで、ややマイナー目の出版社から出てる感じのコミックも少なめになっていて、BLなんかちらりほらりという感じだったんである。なので客層も以前のようにもろオタッキーな感じではなくなっていて、台北のオタクスポット、な色合いはほぼなくなっていた。ちょっと寂しい。

 台湾にもアマゾンのようなネットショップがあって、オタッキーな本も全部ここで買えるので、リアル書店でマイナー分野を追及しても利益につながらないのかもしれないが、やっぱりリアル書店が好きなんだよ! ブラウジングしながらあれこれ手にとって、予想外の出会いを楽しみたいんだよう。

 2009年の店舗と、馴染みの威向直営書店について述べると、オタク書店の特徴は基本的にその狭さと密度にある気がする。せいぜい四畳半くらいなんじゃ、という面積に、ひたすら書棚が詰め込まれ、お客もみっしり詰まっている。その狭さをフォローするため、書棚はスライド式だ。出版社別に本が詰め込まれ、立ち読みする女の子たちは間違ってもコギャルとかでないおとなしめのお嬢さん風か、無造作なTシャツスタイル。そして、髪は大体バサッと腰まで伸ばしている。

 店内はひたすら静か。ページをめくる音のほかには、書棚をスライドさせるときの「不好意思」「不好意思」(結構いろんな意味があることなのだが、この場合は「ちょっとすみません」「あ、ごめんなさい」くらいな感じ)のささやきだけ。ああああ、落ち着く。

 威向のお店はもうちょっと広くて二間分くらいのスペースがあるが、スライド書棚は健在。威向のオリジナルと翻訳本、台湾で出た、日本のアニメや漫画やゲームの同人誌が山と並んでいる。アニメイトの女子向け書籍フロアという感じで、ここもやっぱりとっても静か。

 台北駅前店のほかに、高雄にも店舗があって、こっちは結構広めの一間に基本壁沿いが本棚、真ん中に平台という構造だった。私が行った時は客は私一人。だからだろうか、こっちのお店はその数ヶ月後に畳まれてしまった。悲しい。まあ、威向さんはもともと独自のネットショップも大きく展開しているから仕方ないっちゃ仕方ないんだが、この書店があるかないかは私にとっては高雄の不動産価値にも直結するくらいの大問題だ。

 ぶっちゃけ、オタク向けリアル書店と日本書リアル書店が傍にあれば、私はそこに住みたい。高雄に他にオタク書店がないわけではないんだが、やはり、全ジャンルフォロー店だと出版社ごとの在庫数は少なくなるんだ。で、BLは少ないんだ。誰か、台北以外の日本書リアル書店がある都市にBL専門オタク書店を作ってくれないだろうか。もれなく私が引っ越して、くるのは罰ゲームだろうか。

 台湾のアマゾンなネットショップ、博來客については、また別に記事を作って購入方法などもレクチャーしようと思う。ただ、残念なことに、ここって十八禁本は海外輸送してくれないんだよね。人に頼んで送ってもらえというのか、十八禁本を。そういうものこそ個人で輸入したいという思いは台湾にはないのだろうか??

 そして台湾の十八禁基準も結構謎なのだが、これについてもまた書こうと思う。







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