台湾は都市部でも結構星が見える。
なんでかというと、ビルの上の広告塔がほとんどないのだ。
勿論、街全体としては明るい。
基本みんなが宵っ張りなので真夜中でも開いているお店がコンビニでもファーストフードでもなく結構あるし、屋台も出ているし、オフィスの窓にも灯りが点いているし、かなり不夜城都市な感じである。ライトアップもあるしね。
しかし、それはどれも大体人の目の高さ。そして、ビルの側面であって、ビルの天辺にはみ出してはいないのだ。
なので、ホテルの裏側の窓から空を見上げたり、ブロックの内側に数メートル入った路地から空を見上げたりすると、空は意外なくらいに暗い。
これっていうのはひょっとして、灯火管制の一種だったりするんかなあと思うのは、初台湾旅行で街角に貼られたビラに度肝を抜かれたからだ。
防空演習、とそのビラには書いてあったのである。
防空演習である。防災ではなく、防空。
空襲前提かよ、おい! ととりあえず平和な日本から来たわしら二人は恐れ入ったのだが、そういう意識で辺りを見ると、なんかあちこちにそれっぽいことが書いてあるのだ。このエリアの人はこのビルの防空壕に避難してくださいとかいうことが。
残念ながら、というのもちとあれだが、その防空演習は数日前に終わっていたので詳細はわからなかった。
しかし、日本に帰って調べてみると、ぽこぽこ記事が出てくるんだね。
なんでも、お店とかは中にお客さんいるまま一瞬閉店状態になるらしく、道行く車もストップさせられて中の人は軍人さんの誘導で避難。電車は普通に運行しているけど、駅で降りた人はこれまた誘導に従って避難、てな状態になるらしい。
ぬうう。確かに中国との間で緊張状態にあるんだなという感じである。
ちなみに日本人監督で台湾のドキュメンタリーをよく撮っている林雅行監督の最新作の一本「呉さんの包丁」でこの避難訓練の様子がちらっと映っている。あくまでちらっとなのは、やっぱり撮影を制限されたとかなんだろうか。
ついでにこの映画には台北市内にででんと聳える高級ホテル圓山大飯店の地下防空壕もしっかり登場している。なんでもここの巨大防空壕からは通路を通って市街に逃げられるそうなんだが、着いたところが火の海だったりしたらどうするんだろう??
ただ、台湾どのへんまでほんとにやる気があるんだ? と思っちゃうような記事もあって、なんでもこの年2009年の防空演習、本当は夜に「きっちり灯火管制も含めて」やりたかったんだが、夜市の関係者による大反対で昼間になったんだそうで。
ビバ民主化という感じだが、大丈夫なんだろか……。
ちなみに、渋滞してるのを一度も見たことがない台湾の高速道路。五車線もあるこの道路は、いざという時には滑走路になるんだそうである。
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