2013年10月31日木曜日

弾丸特急ジェットバス in 台湾。もしくは「BUs」(笑)

 アニパロコミックスで昔漫画を描いていた藤田わかさんの同人誌で、弾丸特急ジェット・バス、というB級映画が紹介されていたことがある。なんでも主人公がアメリカではトップクラスのスピードでバスを走らせる運転手らしい。

 バスって速さを競うもんだったの? というわかさんの突っ込みを読んで大笑いしたものだったが、台湾のバスは本当に速さを競っているのかも知れない。

 取りあえず、あなたがねんざしていたり、片腕を包帯で吊っていたり、両手に大きな荷物(赤ちゃん含む)を抱えていたり、妊娠中だったりetc、とにかく機敏に座席にダッシュすることが不可能でつり革に両手でつかまれない状態にあるのなら、普通の市バスには乗らないほうがいいと思う。

 日本のバスは、基本的に発車がゆっくりだ。乗客の大半が席に着いたのを見計らって「発車しまーす、おつかまりください」とけだるくアナウンスが入り、おもむろに走り出したあと、徐々にスピードアップする。

 台湾の市バスは、客が座るのなど待たない。乗客は、チケットを見せたら即座に手近な座席に飛びつき、可及的速やかにそこに腰を下ろす必要がある。フルーツバスケットをやっているくらいの意識を持っておくべきだろう。荷物を隣りの席にまず下ろしてから、などとやっていてはいけない。

 おし、乗ったな? 金払ったな? 行くぜ! という感じだ。

 初めて市バスに乗ったとき、私は危うく吹っ飛ばされそうになった。公舘の駅前から永和市に行くバスに乗ったのだが、日本感覚で、まずは定期入れ(にパスを入れていた)をバッグにしまってから、とやっていたら、走り出しちゃったんだよ、バスが。

 運転手さんの後ろの座席に飛びつき、とにかく腰は下ろしたものの、どうにかジッパーだけは閉めたバッグがお尻と背中の間で下敷きになっている。私自身座席に斜めにしりもちを着いて座ってんだか寝そべってんだか、という感じなのでほぼ全体重がそこにのしかかり、非常に痛い。しかし、身体が起こせないのだ。あまりのスピードのせいで。

 アリスのティーカップを日常で味わえる素晴らしき台湾バス。

 50キロ以下で走ると爆発でもするんですかと訊きたくなる勢いでそのバスは街をひた走った。曲がり角でも一切スピードは落ちない。ぎゅん、ぐいん、と擬音をつけたくなるような走り方だ。モナコグランプリですかい。勿論停まる時だってお約束どおりだ。

 リュック・ベッソンは台湾に来て「BUs」をプロデュースすればいいと思う。サミー・ナセリ連れて来なくても、主人公は台湾で調達可能だし。

 座っていてもそんな感じなので、帰り道、混んでるバスで立っていたらもっとすごかった。永和市で出会ったおばさんに、この日本小姐と公舘まで一緒にバスに乗っていってくれと頼まれたお兄ちゃん(今にして思えば台湾大学の学生さんだね)が、大丈夫? しっかりつかまって、としきりに心配してくれたくらいだ。いっそ愉快になるくらい揺れたよ!

 高速バスになると、スタートはさすがにもうちょいゆっくりになる。ちゃんと席に座ったことも見届けてくれる。その代わり、走り出したらやっぱりこんな感じだ。というか、場所が高速な分、天下御免で飛ばす飛ばす。

 基本的に車に乗りつけていないせいで、私はいまいちスピードに弱い。普通の車でも六十キロを越えると、なんとなく恐くなってくる。なのでここまでくると、途中でリミッターが振り切れてしまい、高速を降りるまでナチュラルハイ状態になっていた。

 たぶん、台湾に絶叫マシーンは要らない。すたあつあーずも要らない。

 ちなみに、台湾のバスはとっても派手。ほとんどの車両がラッピングバスで、映画やらネトゲやら企業広告やらで彩られている。

 2009年の旅行で「公共之敵」というえらくカッコいいバスを見かけ、なんだこれはと思ったら、映画だった。「パブリック・エネミーズ」。日本では12月公開だったけど台湾はもっと早かったらしい。

 映画といえば、この旅行のときは台北映画祭が開催中だった。旅行三日目くらいに朝のニュースでこの映画祭のミニ特集をしていて、二本くらい面白そうなのが映っていた。たぶん片っぽは前編台湾でロケした邦画「トロッコ」だと思うんだけど、トロッコの公式サイトでは台湾映画祭のこと何にも書いてないんだよね。別な映画だったのかなあ。

 もう一本が、わからないんだ。いまだにわからないんだ。確か、トミー・リー・ジョーンズが出てて、なんか息子が記憶喪失になっちゃって、その息子連れて旅をする、ような話? 確か焚き火の前かどこかでこのお父さんが息子の胸倉を引っつかんで「記憶がなくなってても私たちが親子であることに変わりはないんだ!」てなことを叫ぶシーンがあったと思うのだが(2009年の私の読解力が正確であれば)。この映画、わかる方がいたら、教えてくだされ。

 台北駅の構内には「グーグーだって猫である」の巨大ポスターが貼られていた。101の傍のシネコンでは、日本で見たばっかの実写版Bloodのポスターも見かけたな。あとわかったのはトランスフォーマー。

 ディスクショップにはおくりびとのポスターが貼られ、本屋さんでは是枝監督の歩いても歩いてものフォトブックを見かけた。

 しかし一番度肝を抜かれたのはMRTを待っていた時。行き先表示板(MRTの駅ではカラーの液晶がこの役割を果たしている)にコナン映画の予告が流れたのだ。日本での公開から二月ちょいだよ、はやっ!

 ところで、ちょっと心配なのは、日本だとよく聞く、自閉症の子とかがバスを色で認識してるんで、ラッピングでころころ色が変わるとそれをバスだと認識しない、という話。

 台湾は大丈夫なんだろうか。これだけラッピングバスが当たり前になっていると、もう色ではないところで認識するようになっているのかな? 二度目の旅行の時、公舘の傍の警察署に貼ってあったポスターが、行方不明の障害児を探しているものだった。いつものバスがわからなくて、行方不明になっちゃった。そんな可能性は、ないんだろうか。





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