2013年11月27日水曜日

ロスト・コントロール 虚無仮説2 そろそろ店頭に並びつつあるようです。





どうぞよろしくお願い致します!


あ、これは読者の皆様にもお知らせしてしまおう!蒔舞先生は、日本の皆さんによる虚無のレビューも見ていらっしゃいますよ!
好評でとても喜んでいらっしゃいます。

機械翻訳、中国語を日本語にしようとするとまだまだ使わないほうがましみたいな日本語にしかならないのですが、逆は結構使えるみたいですね!
ちなみに、機械翻訳メイドな日本語は旅行にいくとぽちぽち見られるのですが、短文であれば、多分こういうことを言いたいんだね、となんとかわかる、なレベル。長文になると、頼む原文見せて、てなレベルにわけがわからない日本語になっています。たぶん、利用と使用頻度による技術向上の度合いに差があるんだろうなあ。

それから、まだまだ予定は未定ですが、来年かさ来年辺りに「虚無仮説2」を書こうかなという考えがあるそうです。
以前書きかけてやめていたのが、今回のことで、特にyoco先生の挿絵にかなり触発され、書きたい、という気になられたとのこと。また藍たちに会えるかも、です。もっとも来年は先生にとってもデビュー十周年ということで既に結構予定が埋まっているため、まだまだ企画段階だそうですが。

そして後書きで書きました原作出版社、威向有限公司さんの日本向けBL電子書籍サイト。まだ開設時期等未定ですが、ただいま準備中です。
コミックと小説の予定で、私は今現代もののコージーミステリ「ホットライン×××」を翻訳中。小説家が主人公で、ホラーでないミザリーのような。もう一本は中華風異世界王朝戦記ファンタジー、台湾BLの中華風味もの代表作というべき「鳳于九天」になる予定です。



2013年11月22日金曜日

ロスト・コントロール 虚無仮説2 アマゾンに表紙画像が載りました。




今回は帯付き写真なので、実はそれも嬉しかったりします。
一巻の時に、表紙全部をセットで見たとき、とても感動したんですよ。

これまでが個人誌ばかりだったので、ほかの人がデザインした表紙、というのに縁がなかったんです。裏表紙、背表紙、文字の配置、カラーリング。どれもかっこよくて、すごく嬉しかった。たくさんの人がこの本にかかわってくれているんだ、としみじみ感じた瞬間でした。

第二巻もそれは同じ。

で、帯もまた格好いいので!

どうしても、帯は傷みやすいので、書店流通の過程でも破れて外されることがありますし、古書店とかだと外されていることが多い、というか、古書店に売られる前になくなっちゃってるんだろうなあ。

で、重版の時なんかは最初からなかったり、デザイン変わっちゃってたり。

帯のくせに命は短い、そういう存在なので、アマゾンの写真で見ていただけるのはとても嬉しいのです。

そして、一巻のハイエルと平台で並べてくれるお店、ないかなあ。あったら見に行きたい。平台は、横浜だとダイヤモンド地下街の有隣堂で見かけました。写真を撮らせてもらっちゃいました(笑)。

そして実はその時、近くでこの本を手に取ってくださった方が! 買ってくださるのかどうか、数分間、近くで硬直していました。さすがに直視もできず、立ち去るのもいやで、斜め横向きに棚を見詰めつつ目だけはそっちを見ること数分間。最終的に、別な本ご購入というオチがつきましたが。

挙動不審な翻訳者、たまーに横浜付近に出没の可能性があります。

そして、二巻の表紙は一巻と顔の向きを対称にしています。なので平積みの場合、ハイエルと向き合わせるか、そっぽ向かせるか、さあどっちを選ぶ、とやれるわけです。まるでコーナー担当者さんへのひそかな心理テストのようですね。

二巻発売後は、また裏話など載せようと思います。

本のデザインだけでなく、結構あちこちでいろいろな手を借りるのですが、今回、編集さんに次いで奮闘してくださったのが校正者さん。

いやもう、一巻目の時点で、文字の変換が見事なくらい統一取れてなかったんです。

これでもか、というくらい、漢字にしたり開いたり。

ついでに車関係の描写が結構出てくる今回の本、しかし、残念なことに、校正者さんも私も編集さんも、三人が三人とも車運転できない。なので、車関係でわからないところが出てくると、三人寄っても意味がない。

運転できる友人に急遽連絡取って手順を教えてもらったり、専門用語を教えてもらったり。それで私が調べて、こんな感じでわかりやすいでしょうか? となる。

ついでに、ついうっかり忘れそうになるんですが、アメリカなので運転席は左にあるわけです。他にも、ブラインドがカーテン式だったり、ドアが基本内開きだったり。

台湾は、その辺アメリカとお揃いなんだよね。だから、うっかり、はないんだよね。

いまなお、他の本訳してても、ついうっかり、運転席を右にしかけていて、慌てて頭から該当シーンをサーチすることがちょこちょこありますよ!!

なまじ免許持ってないから、ちょこちょこで済んでるのかなあ。

バリアフリーな地下鉄と、あまりバリアフリーでない台鉄。

 台湾の地下鉄MRTの駅はちょっと感動するくらいバリアフリーにできています。ホームは完全フラット。ホームから改札階へは勿論、改札階から地上までもばっちりエレベーターが結び、そしてホームと車両の間も完全フラット。車椅子利用者はいちいち駅員さんに板を渡してもらう必要がなく、ホームへ行くのに付き添ってもらう必要もありません。なのでMRTのエリア内であれば、基本一人でどこへでも行けます。

 ちなみに、スーツケース引きずっている旅行客にとっても、これはとっても便利。というか、東京大阪などなど全てがこうであれば、イベントのダンボール自力搬入搬出もとっても楽なんだよなあ。

 もっとも、視覚障害者にはどうなのかなーと思うこともないではない。ホームドアはまだ設置されていないので。

 ただ、駅構内の案内板では、視覚障害者が困っている時の介助の仕方を説明する映像が流れている。音声案内とかはまだ少ない代わりに、そこは人力フォローするらしい。

 そして感じるのは、障害者に対して心がとてもバリアフリーだと言うこと。

 実は、日本に来てテレビを見た台湾人が一番気にするのは、字幕の少なさ。ヒアリングがまだ不得意だけど、字幕があれば読めるのに、そう思う彼等が抱く疑問。日本の聴覚障害者はどうやってテレビを楽しんでいるの?

 台湾では、障害者の存在、がとても当たり前のこととして捉えられている。

 小説を読んでいても、主要人物にさらっと障害者が出てきたりする。後天的障害者も、先天的障害者も、知的障害者も。

 これが単に、日本の六分の一の人口及び割と長年軍事独裁政権下で戦争状態が続いていたり市民への弾圧が続いていたりした過去やら今なお徴兵制度があったりという社会情勢によって総人口に対する障害者人口が日本と比べて高いという話なのか、それとも精神文化的な理由から来ているのかはわからない。

 ただまあ少なくとも車椅子利用者及びお年寄りにとっては、とても動きやすい社会であることは確かだ。ついでにいうと、優先席に対する利用者の態度も日本に比べて意識が高く、利用資格のある人以外はまず座らない。更に、優先席以外に座っている人も、優先席に座るべき人が傍に来ると即座に席を譲る。2012年4月の旅行で70歳越えの叔父叔母と一緒に動いた時、この二人はMRTに乗車するたび、満員電車の中でひたすらに席を譲られまくった。

 なので私は、家族に車椅子利用者がいる場合の旅行先には台湾がとてもお勧めだと思っている。日本よりはるかに安い運賃のタクシーとバリアフリーなMRT。たぶん日本の都市部に旅行するより楽に動けるはずだ。

 ただ、MRTのエリアを離れてしまうと、実は結構不便かも知れない。

 台湾の国鉄、台湾鉄道、略して台鉄。地図記号は日本のJRとおそろなこの鉄道は、乗車時に一段階段を上がらねばならんという構造を持っているのだ。

 ついでに、駅によるのかもしれないが、ホームとホームの間は階段オンリーだったりする。そのくせ駅外から改札まではバリアフリーだったりして、いまいちよくわからない。

 たぶんなのだが、バリアフリーの概念ができる前の設備をベースに使い続けているのが台鉄。バリアフリーの概念ができた後に整備されたのがMRT。そういうことなのではないだろうか。

 ちなみに、台鉄で、おお! と思ったのは、車輌内に消火器だけでなく非常用の斧があるということ。どうも、何かあったらこれで窓なり壁なり壊して自力で脱出してくださいと言うことらしい。やはり台鉄の乗客には、自力脱出が可能な身体プラス斧を揮える屈強さが必須と言うことだろうか。

 なお、MRTは駅ホームと車内どちらにおいても飲食禁止となっているので、乗る際はご注意。ペットボトルの水を飲むのもだめという厳しい決まりがある。これは、テロの予防なんだろうか? その一見ミネラルウォーターなペットボトルにサリンとかガソリンとか入ってると困るんだよと、そういうことなんだろうか??

 この決まりがいつからあるのかはわからない。サリン事件の影響なのか、韓国地下鉄火事の影響なのか、どっちなんだろう??

 けど、台鉄は飲食オッケーなんだよね。そして、台鉄だって地下鉄になっている部分があるんだよね。なんっとなく緩い気がする。それもまた台湾クオリティ。

2013年11月20日水曜日

虚無仮説第二巻もそろそろ出ます! ようやく修羅場が終わりました。

 先月の一巻発売以来、本屋さんに行くたびに自分の本と遭遇。基本まずBLコーナーに行く口なもので、どうしても遭遇。そしてそのたびに、そこの書店員さんを拝みたくなったり、売れますようにと本を拝みたくなったりしています。やりませんが。

 いや、でも、やっていいですよといわれたら、立ったり座ったりきっちり中華風に拝んでしまいたいかもしれない。特に横浜ポルタ丸善の店員さんを拝んでしまいたい。FBIものだからだと思うんですが、大好きな某作家さんの横に置いてくださってまして、すっごく嬉しかったの。

 発売から約一週間後のJガーデンでは、編集さんに許可をいただいて虚無ブースを展開していました。お立ち寄りくださった皆様、ありがとうございます。買いました、とおっしゃってくださる方や、これ、買いたいんですがどこで買えますか? とお尋ねの方。これはもう本当にむちゃくちゃありがたかったです。是非、二巻もよろしくお願いいたします。

 そして、つい気になってしまってレビューサイトもちょろちょろと覗いています。やはり、第一巻に色っぽいシーンほとんどないのはネックでしたねえ。皆さん、この点には言及なさってくださっている。はい、私もそこは悩みました。ぶっちゃけ、持ち込んだ中の一社からは、三章までで何にもないってのはうちでは無理、とお断りされました。ただし! この点に関しては二巻はばっちりです!!

 あ、あと、レビューサイトで、翻訳だけど文章が読みやすい、翻訳者が頑張ってる、そう書いてくださっている方々、本当にありがとうございます。努力した甲斐がありましたというか、これはもう本当に編集さんの指導の賜物です。この点に関してはまさに千本ノックのようにびしびしと指摘が入りまして、「ここ、いかにも翻訳っぽいんで、こんな感じになりませんか?」「うっ、でもそれだと私が趣味に合わない。こことこの要素押さえてこんな感じでどうでしょう?」「あ、それなら大丈夫ですね。で、次にここですが……」以下エンドレス。しかも、私はやっているのは当座これ一本でしたが、編集さんは他にも文庫本と雑誌ともう一冊もあるわけで。お互い徹夜と仮眠を繰り返してましたが、完徹の回数はどう考えても向こうの方が多い。

 時折向こうは風邪をこじらせて寝込んだりもしてらっしゃいまして。というか、編集部の皆さん、いったい何時まで会社にいるのがデフォなのかと不思議になるくらい、遅くまで電話が通じるし、掛かってくる。皆さんうら若き乙女なので、健康状態がとっても心配なのですが、その健康を損ねてる原因の一角(二角ぐらいいってますか?)が私なんだよなあ。

 まあ私の方も、仮眠していても夢の中で文字校正していたりしまして、跳ね起きて確認したりするので、寝てるんだか寝てないんだかよくわからなかったり。電話を掛けると、編集さんも徹夜の果てに気持ち悪くなって仮眠中だったりします。とことん眠くなると、編集さんの指摘に対しても「ここのこの要素は大事なんで、これをキープしてこっちを別な単語に」みたいな論理的な考えがうまくできなくなり「それ違うんです。なんか変なんです。ただ、いま、うまい訂正が浮かばないんで保留で」てな感じになってくる。なんか違う、という直感はあるものの説明ができない。ダメな探偵のようだ。明け方四時半くらいが限界ですね。

 そして、次の訂正まとめて送るまで仮眠してていいですよ、と言われても、身体が修羅場モードになっているので、全然眠れなかったりします。で、こういう時は大抵徹夜仮眠明けの日中十時くらいだったりするので、そろそろ開いてるスーパーにインスタント麺を買いにいったり、ごみを出しにいったりするわけですが、そうやって久しぶりに外に出ると、空が一気に秋の色になっていたり、Tシャツ一枚だと寒くなっていたりします。これは引きこもり状態とどう違うんだろう。

 更に、気付いてみれば青空を見上げるの自体がすごく久しぶりで、ああ、娑婆の空気が新鮮、ともはや私はいったいどこに収監されて仕事してるんですか状態に。普通に自宅のはずなんだが。

 修羅場の友、と言えばコーヒーですが、実は上巻の途中から身体がカフェオレすら受け付けなくなってしまい、巨大なウーロン茶ボトルを横において作業していました。そしてご飯はインスタント麺。ただし、これは単に私が、ご飯より麺が好き、な体質なせいだったりする。醤油ラーメン買っていてもスープはほとんど使わず、チンした鶏肉と胡瓜、チンする過程で出た鳥スープを合わせて胡麻と醤油で混ぜて即席涼麺、寒くなってきたら鳥スープに醤油とお湯を加えて野菜も色々入れて鳥ラーメン。

 スープを使っていないのでインスタント麺メーカーにはきっと嬉しくない客。ただし、すり胡麻いり胡麻メーカーにはお礼を言われてもいい、かも知れない。あ、でもトップバリュの太麺は歯ごたえがしこしこしてておいしいので、そればっか買ってました。

 ただし今は、牛肉麺が食べたい。切実に。なのに、なぜか中華街で売っていなくなっていたの。廉価なインスタント牛肉麺。なんでだ? 台湾インスタント麺そのものがなくなっちゃっていたぞ??

 そんなこんなで二巻も、先日ようやく私のやることできること全ては終わり、ただいま原稿は印刷所におります。第一巻の時ほど極道な入稿にはなっていなかったと思いたい……。第一巻の時は、普通この段階でこんなに訂正出ないだろうというくらい訂正修正山盛りでした。部分部分で訂正した段階でゲラが出たんですが、そのゲラを頭から読み返したらどうしてもそこもここも文章を直したい、となってしまいまして。たぶん、前代未聞に訂正箇所の多いゲラだったろうと。そして、更にその後も、「お願い間に合うならここも直してください。いま気付いた~」という訂正が……。この印刷所さんには、足を向けて寝てはならない気がします。今現在、横浜で西に足を向けて寝ているので、たぶん向いていないと思うんですが。

 訂正の全てが終わったのが先週半ばだったので、恐らくはそろそろ取次ぎさんに移動する頃かと。そんなわけでこの月曜日には中華街の關帝廟に、売れ行き祈願にいってきました。關帝廟は道教における商売繁盛の神様。ついでに生涯学習の元祖として学業成就のご利益もあったりするので、翻訳の仕事を始めて以来ちょこちょこお参りに行っている場所です。

 そしてたぶん、週明けくらいから書店に並ぶのかな? 早いところは今週末かもしれません。また書店に様子を見に行く気、満々です。
 家の近所の書店にも入荷していて、取次ぎさん、ありがとう、な気分。はは、ただし、家の最寄りと横浜の一般書店二軒で普段一番BL買ってるのは、たぶん私なので、その意味ではその店舗の入荷分はあまり売れ行きに繋がらないかもしれないorz。いや、でも二巻も配本してくださっていいんですよ、ええ。できればー、二巻セットで置いといて欲しいのですが、これは本屋さんの裁量次第だろうなあ。





2013年11月17日日曜日

割と紳士な台湾タクシー。ただし、時には例外も。 


 台湾のタクシー料金は、とってもリーズナブル。

 地下鉄にあたるMRTで二駅分くらいの距離なら大体170元、日本円で500円くらい。山手線一駅分の距離がこのお値段なので、市内観光時は割と気軽に乗ろうという気分になる。

 特に2009年の最初の旅行の時は、泊まったホテル(慶泰大飯店)の傍にまだMRTができていなかったので(絶賛工事中で、ほこりが立つため大量の水が撒かれ、なんだか道路が洪水していた。ダイナミック!)、近くの駅までちょっと距離があり、このため急いでいるときにはよくタクシーを使っていた。

 もっともこの道、割と商店街なので閉店後の夜とか開店前の朝でもウィンドウショッピングがそれなりに楽しく、旅行後半は結構歩いていたのだが。

 そんなタクシーの運転手さんは、けっこうフレンドリーだ。日本語勉強中の人とかもいる。そしてとっても親切だ。

 最初の内は、タクシー=ホテルの入口で待機している車に、ドアマンさんが案内してくれる、だったので、だから割と親切な人しかいないシステムになっているのかな、と思ったりもした。

 つまりは、ホテルの入口に待機していて、ホテルのお客さんが乗る⇒なんかあったら、お客さんからホテルに苦情がいく⇒そのホテルの前での待機をお断りされる、みたいなことなんだが。

 ちなみにこの頃使ったルートは、ホテルから雙連駅、ホテルから光華商場、ホテルから永康街、だ。どの運転手さんも、なるべく目的地にスムーズに入れるところにぴたーっと着けてくれる。特に、光華商場。表側がバイクにふさがれて車が着けられなかったため、頑張って裏側に車を回してくれた。

 そして、どこで乗っても流しのタクシーの運転手さんもみんな親切だ。

 なんとなくだけど、タクシーの運転手さんは割と年輩のおじさまが多い気がする。そのせいなのか、バスの運転手さんほどイケイケなムードでなく、紳士な感じだ。

 しかし、一人だけ、例外がいた(笑)。

 それは旅行三日目の昼、というか午後。
 この日のわしらはわけあって朝というにはちょい遅い時刻にホテルを出、台北駅からちょい南西にある重慶路をぶらぶらしていた。割と昔からある通りなので、レトロな建物や老舗のお茶屋さん、更に南下すればカメラ街、更に南下すれば~とブロックごとにいろんなタイプのお店が固まっていて楽しい。

 私の目的だった中華風ボタンを購入し、お腹が空いたので餃子屋さんに転がり込んで水餃子と空芯菜炒めをぱくつきながらこの後の予定を相談し、101に行くことになった。

 希望としてはこのまま二二八記念館にいきたかったのだが、それをした場合、私が何時間そこに張り付くかわからない(苦笑)。というわけで、101に行くことにし、駅からはちょっと距離もあったので、潔くタクシーで市内を横断することにする。

 タクシー、と手を上げると、あいよっ、と一台が滑り込んできた。しかし、私はその瞬間固まった。

 黄色い車体のあっちこっちに泥飛沫。がりがり擦った跡が黒く残っている。ついでにへこんでいるじゃないか。

 ガイドブックに載っていた、こういうタクシーはやばいですよという特徴の、全てが備わっているタクシー(泣)。

 そしてそこで、「あっ、ごめんなさい、やっぱいいわー」と笑顔で乗車拒否できないのが日本人なんだよ!!

 いやもう、内心真っ青、電気椅子にでも座るような気分で乗り込みつつ、しかし、ここでビビった顔を見せてはならんと必死に笑顔をキープ。

 そして、これまではタクシーに乗るとき地図を見せて「我想去這裡」(ウォーシャンチュイジャーリ、私ここ行きたい)、と伝えてきたのだが、今ここでそれをやってはならんと私のゴーストが叫んでいた。

 腰を下ろすや否や、私は叫んだ「イーリンイーっ!」。

 オッケー、とタクシーが走り出す。悲しいことに、この旅行で一発で私の中国語が通じたのは、後にも先にもこれっきりだ。火事場の実力アップだろうか。

 ちなみにこの旅行時、私の発音は今に輪を掛け捲ってひどく、タクシーの運転手さん達に地図を見せながら実はこう言っていた。「我想吃這裡」(ウォーシャンチージャーリ、私ここ食べたい)、と。ある意味正しくはあったが。

 走り出した車内でも油断はできない。だって、ガイドブックに乗っていたやばいタクシーがするやばい行為、はへんなとこ走って走行量上げて高い金を取る、という手口。私は、一度京都でこれをやられたことがある。三十分幾らで契約して走ってもらったとき、わざわざ遠回りして次の時間に五分食い込ませ、もう三十分の料金取りやがったのだ。いたいけな修学旅行の高校生相手になんて真似しやがるか、ざっと二十年前の八坂タクシー!!!

 メーターがちゃんと動き出したのは確認した、ならば後はルートだ。

 地図を見ながら、あ、あそこに見えるのが◎◎だよ、もうじき××が見えるよ、と、明らかに日本語わからない感じの運転手のお兄ちゃん相手ではあるが、取りあえず、こっちゃあ道はちゃんとわかってんだぜ、妙なところ走ったらどうなるかわかってんだろな、このヤロ、なオーラ全開にあおやんにはしゃいでみせる。あおやんも、事情はわからないながら何かを察してくれているらしい。

 タクシーは、台北の街をひた走った。へんなところには行かなかった。むしろ、台北横断新記録でも作りたいのかという勢いで走っていた。この運転手の兄ちゃんはどうも、台北のサミー・ナセリだったらしい。

 空いてるバスレーンに飛び込んで走る兄ちゃんにむかついたらしく、バスの運転手が幅寄せしてくる。怖いよ!

 しかし兄ちゃんはものともしない。向こうはどうせバス停で停まるのだ。その間にどんどん距離を稼ぎ、また別なバスに幅寄せされ……。

 幸いにして、着いた瞬間ゲー、とはならなかった。途中からはこっちももう地図などそっちのけで暴走タクシーの旅を楽しんでいた。そして料金もぜんっぜんまとも。わしらは心からの笑顔で車を降り、兄ちゃんも笑顔で走り去っていった。

 疑ってごめん、兄ちゃん。


 初っ端がこれだったので、わしらはこの後は割と安心して流しのタクシーを利用した。この日の晩に重慶路からホテルまでと、翌日に雙連駅からホテルまで。

 どっちも紳士なおじさまだった。