2015年6月17日水曜日

ネイティブ翻訳のすゝめ  翻訳仲介サービス致します

小説翻訳の水茎亭では、この度新しい試みを開始致します。

ネイティブ翻訳者の仲介サービス。

作品紹介や商品説明など、「何か」や「誰か」の魅力を伝えたいのであれば、文章力のある紹介先の言語のネイティブが翻訳するに越したことはありません。

読んでいて頭が痛くなるような稚拙な文章でその商品の魅力は伝わりますか? 幼稚園児が書いたようなむちゃくちゃな日本語の説明が付いた商品の入荷を本気で検討しようという気に、あなた自身はなれますか?

なのになぜ、そんな大事な翻訳をその言語のネイティブではない自国の人間に任せようとするのでしょう??

これは台湾でも日本でも同じです。伝手を頼って見つけた非ネイティブ翻訳者に翻訳を任せ、出来上がった訳文がどれだけ稚拙かもわからないまま高い報酬を払ってしまい、あとでその稚拙さを指摘されても既に予算がないため高品質な翻訳に差し替えることもできないまま、そのずたぼろな翻訳が延々と垂れ流される事態があちこちで起こっています。


ネイティブ翻訳者を見つけるための伝手がない?

ネイティブ翻訳者と直接交渉するのが不安?

ネイティブ翻訳者が原文をちゃんと理解できているかどうかが心配?


だったらその伝手、提供いたします(無料)。

直接交渉が不安なら、交渉の場に立ち会います(有料)。

原文がちゃんと抜け落ちることなく訳せているか、チェックしようじゃありませんか(有料)。


非ネイティブの翻訳者が散々時間を掛けた挙げ句、意味は通じるけどちょっと、な文章になるよりよっぽど時間が短縮でき、高品質な訳文が得られます。





まずは水茎亭に連絡を。
「翻訳してほしいものは何か。何語に訳してほしいのか」この二点と御社の連絡先を伝えてください。

水茎亭がネイティブ翻訳者に上記の内容を伝えます。

ネイティブ翻訳者から御社に連絡が行きます。
「やります」と返事が来れば万々歳。あとは当事者同士で連絡を取り合い、交渉してください。


対面での交渉時にネイティブ翻訳者との意思疎通が完全にできるか。日本語が母語でない相手との交渉に不安があるようであれば、立ち合いサービスを致します。このサービスは有料となります。
またネイティブ翻訳者にとって不案内なエリアでの交渉の場合、第一回目の交渉への立ち合いをネイティブ翻訳者の側が希望する場合もあるかと存じますが、その際は割引料金での立ち会いを致します。

 交通費  :往復分一名分の実費。
 立ち合い料:都内・神奈川県内は一時間に付き2000円(一時間未満は15分単位での切り上げ計算)。
       上記以外のエリアでの交渉及び立ち合いも不可能ではありませんが要相談となります。

 ※交通費は駅から先の歩行距離が一キロ以上であればタクシー使用。交通トラブルにより最寄り駅に辿り着けない場合は、その時点で動いている電車を用いて辿り着ける最寄り駅に最も近い駅からのタクシー移動となります。また交渉後の帰宅時に交通トラブルが発生した場合にも、その時点で動いている電車を用いて辿り着ける水茎亭事務所最寄り駅に最も近い駅からのタクシー利用料金を請求いたします。


原文の内容が取り零されることなく翻訳されているか不安な場合は、依頼していただければ翻訳の精度チェックを致します。



エンターテイメントのジャンルにおいては読みにくい文章は致命的。作品自体の魅力も削いでしまうことになりかねません。
映画の字幕翻訳や、ベースとなる脚本の翻訳、絵本・小説・漫画のサンプル訳など、ただその言語になっていればいいというものではない、文章力の求められる翻訳をお求めでしたら、ぜひ水茎亭にご連絡ください。

2015年6月13日土曜日

知っといて損はない台湾と日本の歴史 その1

知っといて損はない台湾と日本の歴史 その1

寝耳に水の台湾割譲 1895年

日清戦争で勝った日本は、「遼東半島・台湾・澎湖列島、この三箇所寄越しな」と清朝に迫りますが、この時点での清側の反応は「はあ? 遼東半島と澎湖列島はわかるよ(日本が征服済み)。けど、なんで台湾?」な反応でした。
そりゃ当たり前で、台湾は全っ然戦場になってなかった!
日清戦争の激戦地は基本遼東半島で、ぎりぎり澎湖列島(今は台湾の離島部)では戦ってますが、台湾には日本軍まるきり上陸もしてない。
なのになんでよ? というわけで清側も結構これには反対します。

しかしそこで三国干渉。遼東半島を日本に取られるとかないわ(てかそこはうちが欲しいんだよ)、なロシアがドイツ・フランスと手を組んで、日本ちょっと図々しくない? 遼東半島は清に返しなよ、とクレーム。
結局、ばりばりに富国強兵していてもまだそこまで強くなっていない日本は遼東半島を諦めたので、代わりに台湾・澎湖列島をゲット。ついでに対岸の福建省にも唾は付けました。
ちなみにロシア・フランス・ドイツ・イギリスはこのあと清が日本に払う賠償金に関して、そんな大金払うの大変だろうしお金貸してあげるよ、と持ち掛け、その代わりに、とあちこちの土地を租借地としてこれまたゲット。ロシアもちゃっかり遼東半島の旅順と大連を租借地にしています(だからこの後の日露戦争では中国のはずの旅順で日本とロシアが戦ってるという事態に)。

さて、こうして日本は台湾を手に入れるのですが、この後が大変だった。

清の中央政府的にも「は? なんで?」な反応だった完璧無関係な台湾。言ってみれば、薩英戦争に勝ったイギリスが桜島寄越せと言うならまだわかるけどなぜか佐渡島寄越せと言ってきたようなもん。当然台湾の住民も寝耳に水。
ごめーん、日本に台湾譲ることになっちゃった、といきなりの連絡受けて、は? なにそれ? 聞いてないよ! な状態に。

特にこれに怒ったのは現地の役人とインテリ層。こんなド田舎の島なんて日本にくれてやってもいいってか? わかった。もう清朝なんて頼らない!、と台湾の自治を目指して「台湾共和国」を作ってしまいます(例えていうと沖縄が、アメリカの言うとおりに基地作ってばっかの日本なんかもう知らん、独立します、今から独立国新琉球です、とやるようなもの)。

ただ、清から正式に台湾をもらった日本としては、「台湾独立したから、もう清朝関係ないから割譲とかチャラってことで」と言われて、「あ、そうなの」と帰るわけもなく「いやそれ関係ないから。台湾もううちのもんだから」ということで台湾共和国との全面戦争が始まります。

そして、共和国はぶっちゃけ弱かった。メンバーがインテリばっかりなんで兵力は傭兵に頼るんですが、この傭兵があんまりたちがよくなかったらしい(少なくとも台北においては住民が傭兵に相当迷惑していたらしく、日本軍を自分達の手で市内に入れてたりする)。更にあんまりやる気ないのにトップに祭り上げられてた官僚が、金持ってさっさと逃げちゃう。

この官僚、逃げる時に女装してたというBL好きにはちょいと美味しい話がありますが、残念ながら54歳のおじさんなのであまり嬉しくはない。「老婆」への変装だったそうです。

なお、この共和国の存在があるんで台湾住民が一致団結して、日本に支配されるなんて冗談じゃねーよ、な状態だったのかなと思いますが、あくまで一部の官僚とインテリ層。つまりは清朝への忠誠、とか儒教的な意識、とかがあった層に限られていたようで、一般市民はそれほどでもなかったらしい。まあ清朝の時代自体、北の野蛮人による支配、なわけで、それが東の田舎者による支配、に変わってもそれほど大したことではない、と。

もっとも、清朝ってのは実に珍しくも、征服した相手の文化をめっちゃリスペクトしている支配者、だったわけなので、実際日本に征服されてみると思ってたのと結構違う、というのはあったみたいです。この辺に関してはまた次の機会に。

そして、主に山岳地に暮らしている原住民の場合は、またちょっと話が違いました。

台湾共和国を造ったりしたのはあくまで「漢民族」。この人達は言わば、伝統ある大企業A社がベンチャーなB社とのシェア争いに負けた挙げ句に乗っ取られ、B社の人間が役員として乗り込んできた、という時のA社の社員。成り上がりのB社の奴等なんかに伝統あるA社の社屋ででかい顔してほしくねーよ、な感じ。

一方、原住民の場合は、基本的に山で暮らして、他の人との交際そのものを嫌っていました。一種の自宅警備員だと考えるとわかりやすいです。

この自宅警備員には清朝も手を焼いていたのですが、ただ、早い話が山に入り込みさえしなければ基本的には何の害もないんだよね。山は彼等のもの、と思って放っておけば、それで無事に済むことは済む。

ただ日本は勿論そんなお付き合いのノウハウ知りません。てか、そもそも日本の目的は、彼等が住んでる山岳地帯の鉱山とかなので、当然山へ入っていって、で反撃されます。

この自宅警備員VS日本、な戦いは相当長い時期続きました。

台湾、戦後の国民党の方針もあって(これについてもまた今度)、割とあちこちにこの時期の「抗日戦」を記念する碑とかが建ってます。「抗日戦」というと日中戦争のを連想しがちですが、その時期は台湾は日本の一部でした。なのになんで台湾に「抗日戦」の碑があるのか。それはこの時期のものなんです。


割譲された台湾を日本が征服していく様子、は映画「セデック・バレ」の前篇の、更に前半部分を見ていただくとかなりわかりやすくなっています。

そして、台湾という「植民地」をゲットした日本はこれ以降、幕末に結んだ列強との不平等条約を次々に対等な条約に結び変えていきました。

2014年クリエイターEXPO参加顛末記その5

個人翻訳事務所水茎亭は、2014年のクリエイターEXPOに出展してまいりました。
出展を決めてから当日の準備など、前回までのクリエイターEXPOに参加した方々のブログ等いろいろ参考にさせていただいたので、今度はこちらもレポートを作成。2015年に初めて参加するよという方の参考になれば幸いです。


撤収、搬出編
閉会ギリギリ、というか少しオーバーして最後の商談が終了。と同時に片付け開始。
この撤収時間が、基本的に一時間しかないという恐ろしさ。作戦としては、脚立なしで外せる作品からの梱包箱詰めを優先、もちろん伝票書きは昼のうちとかに済ませておく。
取り外しに脚立が必要、みたいなのは荒っぽくてよければパネル撤去作業の工務店さんたちがやってくれます。うちはS字フックを下にばんばん落っことしてもらい、拾い集めました。
搬出時の運送会社プラスカーゴはスピーディーさとか連絡の細やかさとかではあんまり評判が良くない(ぶっちゃけ、いつ届くか見当がつかない)模様。実際今回の搬出で使ったところ、金曜夜に会場で預けた荷物が横浜に届いたのが月曜、しかも箱(購入当初から値段の割にやけにぺらい)がぼこぼこになっているという状態だったので出来れば二度と使いたくない。価格もヤマトとかより高額だ。なので、カートで外へ運んで行ってビッグサイトのビジネスセンターとか周辺コンビニなどから馴染みの宅配屋さんで出してしまってもオーケー。
一時間で終わらないと工務店さんの作業が開始されるので、向こうの動きを優先、向こうの作業が終わったところ、まだのところに随時引っ越しつつの撤収作業になりますが、今後はどうなるかわからないので什器類もなるべく速やかに解体できるもの、もしくはがっと掴んで会場外に引っ張り出せるもの、にしておくのが吉でしょう。


最終日、そして2015年
台湾本を出したい、という出版社が全然来てくれなかったため、クリエイターEXPO終了翌日、ブックフェアの最終日に自分から営業しに行ってきました。ただし、これはどっちかというと、初日に行って、担当が来てないとしても資料を渡してもらえるようにするのが正解だと思います。そうすれば会期中に来てくれる可能性はあるので。
そして、これをやるためにも、当日ブースには一人で来るのでなく、応援を呼んでおくといいです。
そしてこの最終日に2015年のブースを申し込んできました。これまではまず申し込んで、ブース位置はあとで通知される形。2015年からは会期中であれば自分で選ぶ形。これにともないコーナーブースの価格は跳ね上がっていました(ここは使えるブースだ、という認識が広がった結果だと思います。2015年から、ここは三次元使用されるブースが主流になるかも)。なので2015年は壁際通路奥真正面、を選択。値段は変わらず、目は確実に来る位置、だと思うのですが、さて、どうなるか。
2015年はプロジェクターを使用して電子書籍のプロモ映像を流すなど、今年のレトロアジアン風味とモダン台湾を組み合わせたブースにする予定です。

本日の時点で2015年の参加準備は、買い物はほぼ終了(あとはテグスと資料入れのビニール袋)。
印刷物では電子書籍のチラシが印刷完了。あとは示見の眼の新しい小冊子入稿と、ネイティブ翻訳チラシの入稿。
ブース内の電気工事、申し込み完了。

あとやることは
ディスプレイでは中国語⇒日本語、の看板作成とネイティブ翻訳に関するポップの作成。
プロジェクター用のスクリーンのテスト。
ブースで流す電子書籍三巻目の予告編のアップ(発注済み)。

時間があるようなら屋根の補修、となります。

2015年5月30日土曜日

2014年クリエイターEXPO参加顛末記その4

当日編

黒木夏兒がやっている個人翻訳事務所水茎亭が、2014年のクリエイターEXPOに出展した際の感想レポート第4弾。本番当日に勃発しがちな事態や気をつける点などなど、今年の参加者の参考になれば幸い。


初日、朝一番。
初日は事前準備をする人がいる可能性もあるため割と早く入場できます。会場内に入れるのは初日は八時からですが、ビッグサイト自体には七時半くらいから入場ができたらしい。要注意なのですがコミケなどでビッグサイト馴れしている人ほど、七時なんてとっくに開いてるだろー、と早く来てしまいがち。ところが、着いてみると鍵掛かっていて中に入れない。七時にサークル入場、スタッフはは当然それ以前から入場して準備、なコミケがイレギュラーなのであって、ブックフェア・クリエイターEXPOでは、八時まで入れてくれません。早めに来ても外で待つだけになります。
少し遅く八時半に入るが、この時点で場内、かなりのブースで粘着テープによる設置物が落下している。うちのブースでも落ちている。これがあるため基本的に早い時間の入場がお勧め。てか、粘着展示物に関してはまず落ちるものと考えて、帰りには外して、毎朝付け直す、が正解かもしれない。落ち方によっては角っことか潰れたりしますし。
十時前に開催のセレモニーがあり十時からお客の入場開始。
しかしここからお昼くらいまでの最初の時間帯に来るお客、は、基本的に売り込みの方。クリエイター系の人材派遣会社や請負業者の方で、こういう仕事を依頼できる人材に所属してほしい、という売り込みがやってきます。
登録するかどうかはあなた次第ですが、その会社にあなたの専門分野の仕事がちゃんとあるかどうか、は見極めてから登録した方がいいでしょう。その分野の仕事の依頼が現時点ではその会社に全くないにもかかわらず、青田刈り的に声を掛けてくるところもあるからです(そしてここにうっかり登録してしまうと的外れなオファーのメールばかりが押し寄せてくることになる)。
翻訳だったら、トライアルがあるところ、は確実に翻訳の仕事があるところです。
午後からぼちぼち人通りが増えてくるものの、出版関係者がなかなかやってこない。今回からクリエイターEXPOは二階ということで、一階のブックフェアと分離してしまったのも大きいかも知れない。ついでに、空き時間に、ブースにちょっとだけ寄れるかどうか、というのがあるかないかの影響が大きいのは断然クリエイターEXPOだと思うので、そこは考慮してほしかった。
ちなみに2015年もクリエポは二階、ブックフェア一階、は変わらないので、初日午前中はもう自分から下の出版社ゾーンに営業掛けに行っちゃうつもりです。この間の留守番は友人に頼みます。
そして、レトロアジアンテイストなブースと漢字ペンネームで台湾Tシャツな私、という組み合わせは、クリエイター自身もメイドイン台湾、という勃発させ、日本語を中国語に、という話ばかりがやってくることになる(これ、あまりに多いんで、今年からこっちのお客さんへの人材紹介もやることにしました。てか、日本語ネイティブスピーカーに中国語への翻訳頼んでどうするんだろ。中国語ネイティブスピーカーが訳した日本語と同じくらい、現地の人から見たら妙なもんになる可能性高いのに。そんなしろもの作るのにお金払う馬鹿馬鹿しさを感じないのだろうか? ついでに、読みやすくてなんぼの営業資料に読みにくいもの使ってどうする??)。

後は、持っていくと便利なもの。
百円ショップの使い捨ておしぼり。ちょっと手を洗いに行く、というのがやりにくいので、埃っぽい会場ではこれが重宝。机なんかの軽い掃除にも使えます。
忘れてはならないのは携帯の充電コード。イヤホンもあると便利。結構騒がしいから。

この日が終わると結構ヘロヘロになっているので、うがいとかは念入りに。とにかく人が大量に歩き回る埃っぽい中で一日中会話をしているわけです。呼び込みやサンプリングと違って声を張り上げる必要はありませんが、意外と周囲は騒がしいのでそこそこの声量が必要。更に、顔も込みで覚えてもらおうと思えばマスクができないので、喉にはかなりハードな環境です。普段から風邪ひきやすいとか喉傷めやすいとかいう方はしっかり休んで、三日間健康な状態で参加できるようにしましょう。このイベントでのメイン商品は「作品」ではなく「作品を作るあなた自身」です。というのを私自身も忘れないようにしないとな。



二日目
昨日と同様にというか、もっと早く七時過ぎから入るつもりで六時五十分くらいに到着すると、入れない。初日のとこでも書きましたが、八時にならないとビッグサイト自体のドアが開きません。中のサービスコーナーやコンビニなんかも開いていないので、七時についても基本なんにもできませんよ。これはほんと気を付けてください。
そして八時から急いでブースセッティング。
閉会後の夜間のセキュリティはこの広い会場を数人の警備員が巡回するのみなので、パソコンやレンタルの大型モニター、プロジェクターなど高価な機材を使う場合は盗難防止を自分で心掛ける必要がある。このため、うちのブースではパソコン二台を毎日閉会時には取り外し、本なんかも片付けていました。放火の燃料にされたりとか万引きされても困るしね。これを朝一番でばばばっと再セッティング。ショップの開店準備みたいなもんです。これをやっているうちに九時くらいからぼちぼち人が増えてきて、付近のブースの人との交流が始まります。
参加者同士の交流、には賛否両論ありますが、こういうことをやりたいのであの人に頼もう、というクリエイター同士での仕事の誕生にも結び付くので、時間あったらやるといいかもと私自身は思います。できればそれ用の時間をどこかでとってほしいんですけどね。
二日目からは、出版関係者も増え、とにかく行きかう人の数がぐっと増えてはきます。ただし、一般客も多い。
うちの場合は、とにかく台湾コンテンツの認識度アップ、という目的もあったので、台湾に興味、という方とも積極交流。カラーボックスに並べた大量の台湾本とスライド上映の効果もあって、こういう方が足を止める率はかなり高い。考えようによってはおととしまでのブックフェアにおける台湾ブースの役割をうちが担っていたのかも知れない。2015年も歓迎です。台湾好き、カモン! 2014年よりは少ないけど、本も持っていきますよ!
ただし、チラシにしきれなかった面白い作品群、のファイルを開く人は皆無。本にしても、こちらが手に取って開いてみせて初めて「読ませて」と言ってくる人が多い。なのでA4ノートパソコンでのスライドがとても役に立っていた感じ。
まあその結果わかったことが、出したいという出版社は少なく、読みたいという読者は多い、ということ。それがこのプロジェクト・たいわにっくに結び付いたわけですが。
この日はあまり台湾人ですかとは聞かれなかった。ただし、日本語を中国語へ、の話はやはり多い。仕事に結びつかない割には説明に時間食うから困るのだが。

あと、この日の朝のクリエイター同士の情報交換でわかったこと。やはりクリエイターEXPO参加者で多いのはイラスト・絵本系。ライターの申し込みは少ないらしく、絵本で申し込んだ人に「文も書けるでしょ」とライターゾーンへの移動オファーがくるとか。ライターゾーンにイラストもあれば目立ちますよ、というのが誘い文句なようだが、それはどうなんだろう? ライターゾーンにはライターを探す人が来ているので、目立ったからと言ってライターとして目立つのではない以上、あまり意味はないような気がする。


三日目
出版関係者はこの日が一番多かった。クリエイターEXPOの最終日ということもあり、今日がラストチャンス、と駆けつけているのかも知れない。
そしてこの日もやはり、日本語を中国語へ、の話が多い。てか、三日間通して、台湾の作品を出したいという日本の出版社が皆無だ。
台湾からキャラクターと、ゲームの原作になりそうなコンテンツなどを持ってきていた会社から見ても、現状日本のコンテンツ業界は、自社作品の海外への売り込み、には熱心でも、その逆にはほぼ無関心な状態に感じられるらしい。
さて、そしてここのブースは結構いい値段するので、効果的に使いたいもの。こちらのできないことやニーズに合わないことを頼んで来ようとする相手に、それが無理だと説明するのにはあまり時間を取りたくはない。
なので、翻訳であれば「○○語から日本語へ」とはっきり書いておいた方がいいと思う。うちは2015年はそうする。
そして、初日の稿でも書いたが、こういうお客さんに説明したことを要約すると、私は日本語ネイティブスピーカーなので、中国文をナチュラルな日本語にするのは得意だが、その逆をやっても恐らく決してナチュラルなものにはならない、ということ。
日本語を中国語へ、の話を持ってくる人達というのは、なんで日本語を中国語に訳せる中国語ネイティブスピーカーの方に頼もうとしないんだろう???
中国から日本に売り込む商品のパッケージに「この菓子、チョコレットでできる事細かい美味」とか書いてあったとしてそれが中華街の珍奇な土産物以外として通用すると思うのか、そしてそもそも契約段階からしてそのレベルの日本語で書かれたプレゼン資料を真面目に最後まで読んで契約しようという気に本当になれるのか、というレベルの話だと思うんだけどなあ。
あと、三日間座っていて、来年は気をつけようと思ったこと。
ブースの奥側に自分は座っているわけですが、そこからすっと表に出られる動線は確保しておいた方がいいです。うちのブースはそこが少々詰まり気味だった。
カラーボックスがある分、机が左に寄っているので、机左から外へ、の動きがどうしても滞る。ここでもたついてる間にお客さん行っちゃうこと数回。獲物には跳びつけるポジションを確保しておきましょう。

では次回は撤収と翌日以降やれることについて。

2014年クリエイターEXPO参加顛末記その3

前日準備日編

黒木夏兒がやっている個人翻訳事務所水茎亭が、2014年のクリエイターEXPOに出展した際の感想レポート第3弾。ブース設置の際の注意点や予想されるトラブルへの対応など、今年の参加者の参考になれば幸い。


搬入編
搬入は今回、配布物と展示書籍、ブース飾り付け用小物、をヤマトで、カラーボックス三個をダイエーで購入後の配送サービス(約900円)利用で佐川、残りのかさばるけどまあまあ軽いもの(主に屋根)をカートで手搬入しました。横浜YCATからビッグサイトまで直通バスが出ているのでこれを使用。サイドに荷物入れがなかったので客席に担ぎ上げ、座席にゴム紐で固定。基本バリアフリーで移動できたのでかさばる割には楽でした。
ヤマト便は入場後、背景の簾を吊ってる作業中に早々に到着。佐川も個人宅への配送ではないからかスムーズに到着。


カラーボックス
今回、うちがコーナーブースになると判明したのは五月(2015年分からは開催期間中の申し込みであれば、申込時にブース位置を選択できるようになりました。開催終了後に申し込んだ方へのブース位置決定連絡は大体五月半ばになると思われます)。これを受けてブース正面と右側面をフル活用すべく、ブース右端に木目カラーボックス三段を三つ設置。ただし、これはあまりお勧めしません。カラーボックスを当日組立当日解体したわけですが、撤収日の解体作業はとんでもなく大変でした。本来の退出時間を大幅オーバーしていましたし。今後、撤収のタイムテーブルがどうなるかわかりませんが、カラーボックスはせいぜい一個の使用にして、最終日はそのまま台車にでも括り付けて搬出するのが望ましいと思います。近くにホテルでもとっている場合は断然その方がいいでしょう。
なお、ブース内にカラーボックスなりなんなり「棚を一つ置く」のは非常にお勧めです。ブース内が整頓された状態になります(机横にバッグがどーんと置いてあるのは、狙っているのでない限り単に貧乏くさいです)し、上にパソコンを載せて映像など流せば、机の上にiPad置いて流すよりも目立ちます。
カラーボックスを側面に向けて設置する場合はブース内に背面がむき出しになるため、布や簾などで隠した方がいいでしょう。


背景パネル
ブースの背景パネルは両面テープ等が非常にはがれにくい、という情報が毎年寄せられています。なので、なるべくこの背景パネルには粘着テープをつけない、もしくは掃除用具を持ち込む、などした方がいいでしょう。
うちのブースは今回、隣接ブースとの背景の差別化及び屋根との調和を考えて、背景パネルから簾を吊りました(七月なので既に売っているだろうとは思ったものの前年の夏の終わりに安く購入済み)。この簾の上に粘着テープで文字パネル(カラーコピー機で出力した文字を、ハンズで購入したスチロールボードに貼り付けてからカッティング)などを張り付けたので、撤収時の掃除が大変、というのはなかったです。幅1.5メートルのものを使うなら(ホームセンターで売っている)、背景パネルの継ぎ目部分もカバーできますし。
なお、ブース上部に設置された名前看板がずっとライティングされているせいだと思うのですが、粘着テープは非常に劣化しやすいです。前日準備で付けておいたものが、翌朝来るとどこのブースでもばたばた落ちている状態です。こまめに押し付けるようにしてください。
白一色の背景パネルの中で目立とうと思うのなら、タペストリーを壁に吊ってしまうのも手です。搬入がやや大変ではありますが、会場には脚立もあるので一枚吊るだけ外すだけ、というのは短時間の作業で目立てるいい作戦です
あと、通路を行く人が見てくれるのは、基本的にパネルの上半分、上から一メートルくらいまでです。コピーでも何でもこの辺に、大きく入れましょう。イラストや写真でも、小さいものをぎっしりと貼り付けるのはほぼ無意味な気がします。本物が小さいなら、それを拡大してでもインパクトで勝負。小技をちょこちょこよりは必殺技一発が効果的です。


屋根
そこそこ重みがあったため、最初凧糸で吊ったら切れました。吊りものをする場合はやはりテグスがいいようです。背景パネル上部に溝があるので、そこにS字フックを引っ掛けることが可能です。うちはとにかくこの屋根が目立つので、屋根の上までを目立ちエリアと考え、そこに文字パネルを張り付けました。

テーブル
単なる白いコーティングボードのテーブル(W900×D450×H700)なのですが、2014年の造形ブースでロボットの展示をしていた人がメタリックなシートをテーブルに敷いていたのを見たので、うちは今回、中華街で購入した布をテーブルセンター風にセットしてみました。者が不愛想な白いテーブルなので、装飾アレンジはいろいろ可能です。ただし、あくまで商談エリアなのでこの上にはあまりものを置かない方がいいでしょう。

電源コード
今回内が使用した電化製品は、ノートパソコン二台(一台はスライド用)、フォトビジョン一台、スマホ(充電しつつ使用)。
このため電力自体はブース内に配線工事を頼んで設置してもらうタップから取れる分だけで充分だったのですが、これには差込口が二個しかないので、急ぎもう一つタップを用意することで差込口を増設しました。ただしこの増設には短めの延長コードが付いているものの方が使いやすいです。

後ろの棚
当初使用を検討し、結局頼まなかったのですが、使用していた方々から聞こえてきたのは、落ちやすい、の声。金具の上に板を渡すだけでストッパーがまるきりなく、自分が座る席のすぐ後ろなため、ぶつかって落下のパターンが多かったようです。

会場周辺の便利なショップ。
ワンザ有明に入っている100均がかなり便利なのですが、いかんせん、開店が十時と遅め。買い物はなるべく前日準備日に済ませましょう。
ただし、ビッグサイトのファミマもかなり使えます。イヤホン、タップ(コードなし)などはここでも購入可能。

ブース準備はやはりこの前日準備日をフル活用した方がいいです。開催当日の朝一番に準備をしている人もいましたがとにかくばたばたする。会場への到着そのものも遅れていたりすると、到着直後に準備をしているところへお客さんがもう来てしまい、という事態も起きていました。どんなに近場に住んでいても、ブース準備は前日に。遠方から来るならなおさら、前日昼からの開催なんだくらいの気分で。
なお、この日は空調が入っていないので、作業用の服装を心掛けた方がいいです。結構暑いです。それと明かりも少ないので、細かい字を見るような作業は止めた方がいいでしょう。

では次回は当日編になります。

2014年クリエイターEXPO参加顛末記その2

事前準備編

黒木夏兒がやっている個人翻訳事務所水茎亭が、2014年のクリエイターEXPOに出展した際の感想レポート第2弾。今年の参加者の参考になれば幸い。


事前準備編

ブースの大体の様子が決まったところで、買えるものは購入を開始。まだ買わないものも、どこで買えるかの当たりをつける。

今回のブース作りで先ずネックになるのは屋根だったので、この材料調達をどこでするか、どうやって作るか、に結構悩む羽目になりましたが、屋根付けたい人はそうそういないと思うのでこれは割愛。中華系装飾具の調達についても取り敢えずは割愛。
あくまでブースの文字パネル作成とかそういう汎用性のあるツールの調達に関しては、まずはハンズでした。
耐荷重が数キロまでいけるS字フックとか、凧糸(軽いものならこれでも吊れます)、テグス(吊るものが重い時には潔くテグス)。
あとで購入した、文字や写真、イラストなどプリントアウトした紙の裏に貼る発泡スチロールボード。
そして何より防燃スプレー。
全て東急ハンズで揃います。
ちなみにうちはこれらの買い物を三月以内に済ませましたが、これは単に四月から消費税が上がるのに備えての早期購入。
ただし、何がいるかがあらかじめわかっているのであれば、なんであれ早めの購入がお勧めです。取り寄せになる可能性とか、そもそも自分が買い物に行けなくて通販とか、時間の余裕がまるでなく模造紙に手書きのしょぼいブースとかにならないためにも準備はひたすら早めに。開催一か月前なんて師走も同然の忙しさになる覚悟をしておいてください。

防燃スプレーですが、ブース内に置くもの、装飾品、テーブルクロス、背景タペストリー、幟などなどは防燃処理が必須です。もし防燃性に自信がなかったらこれをスプレーして乾かせばかなりの防燃処理になります。



当日の配布物(印刷物)準備
これはうちが翻訳というちょい特殊物件だからというのもあるんですが、うちは今回非常に配布物が多くなりました。
こういうことができてこういうことがやりたいです、というEXPOのWEBにも載せた事務所の紹介用チラシが一枚。
この本翻訳して日本で出したいの、という小説の詳しい説明小冊子が三種類(概要とキャラ紹介、あらすじ、抜粋訳。現代もの二本には関連項目の写真入りレポ、時代物にはコミカライズ作品の抜粋訳。ついでに原作出版社と自分の関係もアピール)。
翻訳したい歴史漫画の一枚チラシ(あらすじとキャラ紹介。時代背景の説明)。
全部で五種類、全てフルカラー印刷。

以上全て、小冊子の中身のレポ作成のために台湾へ行き、台湾で入稿して印刷してもらったものを船便で日本へ送りました。せっかく台湾本の紹介をする以上、これ台湾で刷ってきたんですよ、というのをやってみたかったのですよ。
日本に比べ、やはり非常に印刷は安いです。
両面フルカラーA5サイズ16ページの折り畳みチラシが三種類200枚ずつと、A4片面フルカラーチラシ二種類250枚ずつ、ついでに両面フルカラー名刺300枚、以上で9000元(当時のレートが大体1元=3.3元)。約三十キロの荷物を二つに分けて船便で送ったのを考えても日本で作るよりはるかに安かったです。


当日交換する名刺について
名刺ですが、当日のブースでご自由にお持ちください状態にしておくと、話もせずに名刺だけ狩っていく名簿屋みたいなのが出没するらしい。手の届くところに置いておくだけでもやられて、後日大量に迷惑メールが襲ってくる事態が、というのを読んだので、うちのブースでは今回名刺をがっちりガードしていました。
私と、留守番を頼んだ友人とがそれぞれ数枚を身に付け(当日の参加証ホルダーに入れておくと便利)、話した相手にのみ渡す形。
とことん用心する方では、クリエイターEXPO用の捨てメルアドを取得してそれを入れた名刺を配布したりもするようですが、うちはそこまではしませんでした。チラシに入れたのも普段使用のメルアド(印刷原稿作成段階では単にそんな危険に気付いていなかったため)でしたが、幸いEXPOでの配布物が原因となっての迷惑メールには襲われていません。
なお、名刺はとにかく大量に用意しておくのが肝心です。チラシがなくなっても名刺だけは渡せるように、300枚からが基本くらいな勢いで持っていきましょう。

いただいた名刺は、100均でも売っている名刺ホルダーで管理。
全部まとめてはしまわず、一日目にいただいたもの、商談相手、台湾に興味、EXPO出展者、というように分けてファイルしておくのがいいです。あと、時間が許すようなら名刺の余白に相手と喋った内容をメモ。ただしこれはできないことが多いかも。

一人参加の方は、名刺受を用意しておくのもいいと思います。常に置きっぱなしではなく、席を離れる時に、何時くらいに戻ります、のメモと一緒にセットしておきましょう。でも、可能ならば誰かに留守番を頼みましょう。友人、恋人、家族、引っ張り出せるものなら引っ張り出しましょう。

チラシですが、駅前のティッシュのように配りまくっても、あまり意味はないです。てか、ティッシュついてればともかく、チラシだけなんて基本受け取らないでしょ、クーポンついてても使わないでしょ。この会場でだってそれは同じ。通りすがる人に片っ端からサンプリングしたってその人の家の燃えるゴミになるだけ。足を止めてくれたら渡しましょう。話してくれたら渡しましょう。
それを印刷しているのはあなたのお金なんだし、何枚配りきって幾らのバイトをしているわけでもないんですから、サンプリングは効果的に。余ったら来年も使うくらいの気分でいいですよ。


当日用の展示物準備
実はこれがかなりギリギリになりました。
台湾で仕入れてきた本で、冊子を作るには間に合わなかったものの、一枚ものチラシのような形で案内はしたい作品が結構あったからです。
六月頭の帰国後の一か月足らずで十種類ほどの本の案内をそれぞれA4一枚サイズに作成。もはや印刷は間に合わないためプリントアウトをファイルしての展示と、スライド仕立てにしてパソコンで上映の二本立てにしましたが、これを作成するのにかなりかかりました。一冊に付き二日か三日で素読みからあらすじ、コピー、キャラクター紹介の作成、レイアウト、とやる突貫工事。結局スライドの完成は二日目の昼すぎに。


では、次回は前日準備日のブース設置作業編です。

2014年クリエイターEXPO参加顛末記その1

参加決定時点でやれる準備編とブース設置時の注意点編

昨年、2014年に水茎亭は、クリエイターEXPOに初出展してまいりました。
出展を決めてから当日の準備など、前回までのクリエイターEXPOに参加した方々のブログ等いろいろ参考にさせていただいたので、今度はこちらもレポートを作成。2015年に初めて参加するよという方の参考になれば幸いです。


参加決定の時点でやれる準備とは

参加を決めたのは2013年の会場で。
それまでの二回も、ブックフェアとともに会場を回ってはいたものの、突如参加を決めたのはこの年からブックフェア会場に「台湾出版協会」のブースがなくなってしまったことが最大の要因。ここのブースに行けば台湾の本を一杯見ることができ、台湾好きが次々にやってくるので交流もでき、どんな本が日本語になってほしいですかという市場調査もできてとても便利だったのが、これが消えてしまうと台湾の本に対して何のアクションもできない。ならば、自分でブースを確保するしかないじゃないか、というわけで出展決定。
EXPO初日に来年の出展を決めたため、この時点から出展準備開始。要するに、来年の自分のブースをどうするかの参考にするために、あちこちのブースを見て回る。


結果として目立つブースは何かというと

その1、ブースで何かが動いている。
映像作品、造形のブースが目立つのは、ブース内に動いているものがあるから。巨大な液晶画面一杯に動く映像や、プロジェクターによって背景パネルに投影された映像。イラストレーターブースや写真家ブース、絵本・コミックブースでも、作品をスライドショーにしてiPadで流しているだけでも目立ち具合が違いました。
人間の目と言うのは、動いているものに反応するそうなので、本人がじっとブースに座っている(もしくは多少動いていたとしても隣接する全てのブースに人間が座っているので、多少の動きは埋没する)中で、映像が動いているとそれだけでそっちに目が行くらしい。フィギュアを動かしているブースと言うのもあって、これもいい感じに目立っていました。

その2、ブースが多少なりとも立体的。
背景にパネルがあって、その前に机と椅子があって、というブースの構造上、割と皆さん背景にのみ力を入れてしまいがち。ただ、これは案外目立たない。特にイラストレーターゾーンと絵本ゾーンでは、隣接して似た色彩の作品が並んでいるとそれが一つ一つ別人のブースだとすら認識してもらえない。なんだかパステルカラーの横幅の広い一つのブースのように感じられてしまう。
チラシ用のラック一つでもブースと通路の境界に置くことでブースが立体構造になり、通行人の真横まで作品を出っ張らせることで、目立ち具合も大きく変わります。もっともこれは、非常に平面的なブースが多い今だから言えることかもしれませんが。

というわけで、うちのブースのデザインは決まりました。
与えられた1.5×1.8×2.2メートルの立体空間をフル活用してやろうではないか。机を挟んでの来訪者との一対一での交流を目的とした狭い空間、これは何かに似ているぞ。そうだ、茶室だ、一期一会だ。よし、ブースに屋根付けちゃえ。狭いブース内を、密室として演出するのだ!

さて、ブースに屋根付けるのは可能ですか???

結論。
お客様の頭上まで張り出す形の屋根、は不可能です。
主としては、隣接ブースの見晴らしを遮ってしまうことになるため。お隣さんのデメリットと、あと、防災上も問題があるとのこと。
なので屋根に限らず、展示スペースの増設の意味で壁を作るとか、柱を立てるとかもアウト。実際に幟を立てた人が高さを調整することになったような例も以前はあったようです。
ただし、ブース内の後ろ壁面にオプションで付けられる展示棚くらいの張り出し構造物の設置はオーケー。奥行30~40センチくらいであれば、見晴らしを遮ってはいないということになります。
ということで茶室構造は不可能ですが、軒先に置いたテーブル、的な演出ならば可能です。


そして、逆に目立たないブースは何か?
これはもう、ブースの上に名前を書いた看板があって本人が座っていて、というだけのものにつきます。だって、ライターです、くらいしかわからないわけだから。せめて手前にラックがあればまだましですが、遠目に見て何の情報も得られない人のブースにわざわざ近寄ってラックからチラシをもらっていこうとする人ってのはまずいないと思う。
これはもう、ライターゾーンの方特有かしれませんが、イラストも写真もなくても、文字情報だけでも掲げましょう。それも、遠目にも読み取れるような巨大な文字で。
コピーだけでいいんですよ。「ラノベ書いてます」とかだけで。ライターってだけだと「動物」てなもんで物凄く幅広いんですから、大雑把にでも「ワニです」とか「リスです」とか書いておけばそれだけで、チラシ貰いに行くか、という気になる人とならない人が明確に分かれます。何がやれるのか、何がやりたいのか、ばしっと一言でいいので表示しておきましょう。
あ、あと、これができます、あれもやれます、そんなのもできます、てあまりたくさん書くのは止めた方がいいかもしれない。あなたにこれを頼みたい、でなく、こういうの出来る人探してます、な人が寄ってくる率が非常に高くなり、しかも結構無茶振りしてくる人が多いんだよ。さして興味がない上に自分の名前が出るわけでもなくさらにそれでお金がもらえることになるかもわからないようなものをしかもものすごい量取り敢えずためしにただでやってみてくれないか的な、知的労働の対価ってもんをなんだと思ってんだと聞きたくなるようなのが。
あと、細かい情報(自分のプロフィールとか、作品の抜粋とか)を延々と壁に書かない。四コマ漫画にでもなっているならともかく、一瞬で読み取れない量の情報を長々と書いてあっても、そんなのじーっと読んで興味持ってはもらえません。それはチラシにしとけばいいんです。
前日に準備に来れなくて、当日のそれもお昼くらいに来て、という人に、このなんにもないブースが多いんですが、勿体なさすぎです。
せめてカラーコピーで出力した大きな文字でなんか書きましょう。ライターなんだから。

では、次回は事前準備編です。

クリエイターEXPOは商談の場。だけど……。

カンヌにくまモンつれてってクールジャパン宣伝とか場違いも甚だしいだろというのを最近読んでいて、ああ、勉強になるなあとしみじみ思う。
そうなんだよね。クリエイターEXPOだってビジネスの話するところだから、めだちゃいい、人が常に立ち寄ってればいい、てもんじゃないんだよね。だからここでは商品実売はなしなんだよ(その場の百円の商品買って終わり、のミニマムなビジネスじゃなく、よそとコラボしての商品の企画とか一般市場への販路拡大とかそーゆー話しようよ、と)。コスプレがないのも、要はパンダになって写真撮られてる暇があったら仕事の話しようよということだ。
ただ、クリエイターEXPOに、私たちを一本釣りしに来てくれるお客さんってのは、どれだけいるんだろうか?
そう考えると、よそでメインターゲットを無事に釣り終えて場内を流している人をおいでおいでするには、それなりにキャッチ―さが、ぶっちゃけインパクトが必要な気はする。あ、なんか面白そうなことやってる、というのがなければ、糸は垂らしてもらえない。
そして、更にいうなれば、カンヌにおける日本、てのは既に知名度はばっちりな商品なのだ。知名度はとっくにあって、だからこそ、そこでの仕事、と思っている相手もいて、情報を求めている。なのにやってることが有益な情報の提供でも何でもなく、日本の宣伝、だからあほみたいなんだよね。自分の段階が理解できてない。
さて、これをうちに置き換えると、ぶっちゃけうちには知名度がないのだ。有名メーカーの新商品、ならまだメーカー信用でお手に取ってもらえるが(翻訳ジャンルだと欧米系作品)、台湾のラノベ・漫画・BLとくると、まず台湾がしょっちゅう本屋でタイの隣にガイドブックを並べられているレベル(台湾の首都はバンコクではないんだよ。覚えておいてください)。そしてラノベ・漫画・BLも、え?台湾にもあるの?マジ?へー、知らなかった、くらいの知名度、てか無名度だ。
要は、弱小新興メーカーが新作を販売している段階だ。
こうなると、まず、市場は確保できない。スーパーの片隅にも置いてもらえない。てか、置いてもらえてもテレビでCMも流してなければ新聞に広告が入っているわけでも、車内吊りしているわけでもない商品は、普通誰も買わないだろうから、奇跡のように置いてもらえたところで三日で棚から追い出される。
なら、店に置いてもらえたならその場でデモンストレーションだ。寅さんのように喋りまくり、まずは手に取ってもらう。着ぐるみだろうかダンスだろうがありだ。相手の頭の中に、台湾にはオリジナルのラノベ・漫画・BLがあるんだ、それを訳したい奴だってここにいるんだ、と刻み付けないことにはなんにも始まらないのだから。
そして、そもそも商談の場であるクリエイターEXPOだが、需要と供給のマッチングの場である以上は、相手の需要ばかりを重視して自分のやりたいことを見失うのも、自分のやりたいことばかりを重視して相手の需要に全く答えないのもどっちもなしなはずなんだよね。
少なくとも去年は、うちに寄せられたのは相手の需要だけだった。台湾の作品、でも、台湾の作品を翻訳できる人材、でもなく、うちに一本釣りに来た人のターゲットは「中国語の翻訳能力がある人材」。それも「日本語を中国語に翻訳できる人」。なんだかなあ。
たとえば、中国の作品を日本語に、ならまだうちの供給内容とマッチしている。香港の作品を、てのもありだし、ドラマとか映画の翻訳とか、あとは台湾に関するコラムや何かの情報提供ニーズもマッチしている。うちの売りは、中国語の文章をシチュエーションに即したナチュラルな日本語にできるよ、てことなので、ものすごく突き詰めると「中国語の読解ができるという特技を持った日本語のライター」なんだよ、私は。それが台湾の作品に惚れて、これを日本語にしたいんだ、と走り回っているわけだ。
それを相手に「日本語の商品説明を中国語に」てのは、寿司屋に行って美味しいパスタが食べたいと注文するようなもんだ。それに答える義理があるとまでは、私は思わない。
しかしまあ、うちに来るニーズがそればっかなら、逆にそれに答えられる人間を取り持つくらいはしようじゃないかと私も思い、今回はそっちの準備もしてはいる。おとといきやがれと言うのは簡単だが、それで終わりにしなければ細々とどこかにつながるかも知れないのだし、そもそもそう言う釣り客でもブース内にいてくれる分には枯れ木も山の賑わいだ。サクラ効果くらいにはなる。
そして取り敢えず、私のやりたいこととやれること、の間口も去年よりは広めに設定して宣伝している。
台湾に関するライター仕事なら喜んでやらせていただきますとも!
去年のマッチング成果は、はっきり言ってゼロだった。さて今年はどのくらいの成果が出るのだろう。


2015年5月5日火曜日

大変ご無沙汰を致しておりました。

長らくこちらのブログをほっぽっておりました。
昨年十一月にAmazonによる電子書籍KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)で蒔舞先生の代表作「示見の眼」シリーズを始めるにあたり、このブログで宣伝を、と思ったら、契約更新がうまくいっておらずにドメインの権利が消失していたという体たらく。その後どうにかドメインが復活できましたので、またぽちぽちこちらにも記事を載せていくつもりでおります。

取り敢えず、現状と致しましては、KDP版の「示見の眼」シリーズが、第二巻まで出ております。
現代の台北を舞台に幽霊が見えてしまう青年、陸以洋(ルー・イーヤン)が様々な人々との出会いの中、恐れているだけだった自分の力と向き合いそれを認識し、その力で死者達のために自分ができることを模索していくジュブナイルBL。三巻は八月に発行予定です。

この電子書籍刊行開始にあたって、Facebookによるプロジェクトページも設けております。
プロジェクト・たいわにっく~有臺灣味計劃~
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示見の眼の予告編動画なども作成して公開しておりますので、どうぞご覧ください。いいねは随時募集中です。